美奈を守ってあげたい。


だけど私はゆっくりと美奈から身を離した。


美奈は自分の力で問題を解決しようとしている。


そこに水を差すのは嫌だった。


「でも無理はしないで。いつでも、私がいるからね」


「……どうしてそこまでしてくれるの?」


もうすっかり泣きそうな顔がなりを潜めた美奈が、首をかしげて聞いてきた。


確かに、対して面識のない私にここまで心配されると不思議に感じるのは当然のことだった。


美奈の目には少しの警戒心が宿っている。


あいつらの仲間だと思われているのかもしれない。


美奈を油断させたあとで、手ひどく裏切ると思われているのかも。


自分の考えすぎかもしれないけれど、とにかく美奈に敵だと思われることはいやだった。


私は美奈の仲間で、いつでも力になりたいと思っている。


でもそれを伝えるためにはそれなりの理由が必要だった。


私は美奈をまっすぐに見て息を吸い込んだ。