そんな俺の気持ちとは裏腹に、美鈴は俺に嫌われたと感じていた、美鈴がそんな風に思っていたなど知る由もなかった。

俺はベッドに入っても中々寝つけずにいた。
しばらく時間が経った頃、俺の寝室のドアがノックされた。

えっ?美鈴?どうかしたのか。

時計を見ると深夜十二時を回っていた。

「慶さん、もうおやすみになりましたか」

俺は急いでドアを開けた。

「美鈴、どうかしたのか?」

「あのう」

美鈴は目にいっぱいの涙を浮かべて俺を見つめた。

「どうしたんだ」

美鈴は涙声で話し始めた。

「昨日はごめんなさい、慶さんを大好きなのにギュッと抱きしめて欲しいのに、その先はどうしても思い出したくない記憶が脳裏を掠めて、慶さんの名前をいっぱい声にしたら慶さんの事だけで頭がいっぱいになると思っていたのに……」

美鈴は泣きながら一生懸命言葉を繋いでいた。

「美鈴、もういいから、俺が悪かった」

「慶さんは何も悪くないです、私が……」