俺には他に性的欲求を満たす相手がいるから、美鈴とはあくまで契約上の夫婦でって思ってると考えたのか。

「そんな相手はいないよ」

「それじゃあ、どうするんですか?」

「美鈴を抱きたい」

美鈴は急に立ち上がり、俺に背を向けた。

「美鈴、待って」

俺はあの時の失敗を繰り返さない様に、美鈴には触れずに彼女の前に立ち塞がった。

「ごめん、でもちゃんと最後まで俺の話を聞いてくれ、座って」

俺の言葉に美鈴は椅子に腰を下ろした。

「美鈴を抱きたいって、襲っちゃうとかそう言う事じゃなくて、ちゃんと美鈴とデートして美鈴の気持ちを確かめながらって事だから」

美鈴は俯いて俺の話を聞いてくれていた。

「もちろん、美鈴がその気になるまで待つよ」

「わかりました」

でもこの時美鈴は納得していなかった。








私は戸倉さんの彼女はどんな人だろうと興味があった。

それはなにを意味するのか、彼のことを考えている時間が多くなった、つまり彼に惹かれ始めていた。