向かった先は一番近くにある動物園。テレビでかわいい動物たちを見て、わたしがお願いしたという。

 休日だったのでお父さんは本当だったら、会社の人たちとゴルフに行く予定だったみたいだけど、最終的にわたしのおねだりを優先させた。

 事故が起こったのはその帰りのこと。
 自宅に向かってお父さんが車を運転していると、後ろから明らかに制限速度を越えた車が迫ってきた。

 その道路は片側一車線で、避けるに避けられず、どんどん後ろの車の運転は乱暴になっていった。

 これは後でわかったことだけど、その運転手はお酒に酔っていた。

 喉の渇きを癒すために途中でお酒を買い、酔いを自覚しながらも運転を続けていた。

 やがて車同士が接触した。
 どんどん、とわたしたちの乗る車のが揺さぶられた。

 お父さんは必死になんとかしようと思ったけど、対向車線からも車はやってきて、お店の駐車場なんかも近くにはなかった。

 激しい追突に耐えきれず、お父さんのハンドルさばきに狂いが生じて、対向車線へとわたしたちの乗る車がはみ出していった。

 ちょうどそのとき、向こう側からバスがやってきた。

 どちらも避けることができず、わたしたちの乗る車と正面から衝突した。

 車体の重いバスは道路から外れた場所で横転し、炎上した。

 バスのなかには遠足帰りの小学生が乗っていて、数人が亡くなったという。

 これも後でわかったことだけど、バスの整備体制には問題があって、これがバスの炎上に繋がった。

 もしもちゃんとチェックしていたら、ここまで大きな事故にはならなかったのかもしれない。

 わたしの両親は即死だった。
 衝突した直後に亡くなった。

 わたしは後ろの座席にいたことから無事ではあったけど、まったく怪我をしなかったというわけではないらしかった。

 病院に運ばれたあとも、しばらく入院生活を送っていた。