「そうか。この前もいったが、遥ももう高校生だからな。いろんなものが受け止められるのかもしれない」

「でも、早すぎるんじゃありません?遥ちゃんはまだ十五才ですよ。もっと大人になってからでもいいんじゃありませんか?」

「いや、本人が知りたいというなら、わたしたちが逃げるべきではないんだ」

「……あなた」

「わたしたちもいつかは親としての使命を果たさなければならない。それがいまなんだ。おまえにもわかるだろ。遥がどれだけの覚悟を持っているのか」

「ええ」

「わたしたち自身、いまの関係に甘えていた部分があったのかもしれない。この娘の将来というよりも、わたしたちがいまの関係を優先しすぎていたのかもしれない。遥がこうして真実を知りたいと願っているなら、それにわたしたちも正面から向き合うべきだ、そうは思わないか」

「そうですね。でも、遥ちゃんが必要以上に気負わなければいいんですけど」

「大丈夫、そのためにわたしたちがいるんじゃないか。ショックを受けたのなら、わたしたちが一緒に支えてあげればいいんだ」

「……はい」

 そういって、おばさんがこちらを向いたのがわかった。

「遥ちゃん、わたしたちはいつでもあなたの味方だから。それを決して忘れないでね」

「……おばさん」

 おばさんの優しさが包まれたその言葉に、わたしのぎゅうっと固まった心臓が少しだけ柔らかくなった気がした。

「この話を聞けば、遥、きみは自分を責めるかもしれない。いろんな感情も沸き上がるだろう。だが、そういったものは一人で抱え込む必要はないんだよ。わかってるね」

 わたしはうなずいた。

 その日、わたしたち家族は外出することになっていた。