「うん。それよりも、具体的な話を聞かせてほしいな」
梨子ちゃんに送ったメッセージはヤバイ、先輩に告白されちゃった、だけ。詳しい内容は一切書いてはいなかった。
「三年生の橘先輩という人から告白されたの。わたしのことを好きだから付き合ってほしいっていわれたの」
わたしは歩きながらそう言った。梨子ちゃんのことを考えて、なるべくゆっくり歩くことを意識した。
「橘先輩って、かっこいいで有名な?」
「うん。梨子ちゃんも知ってるんだ」
「噂くらいだけどね」
「実際にかっこよかったよ。なんかね、テレビの人って感じがした」
「初めて、だよね。遥ちゃんが告白されたのって」
「そう。だからすごい緊張したんだよね」
あのときのことを思い出すと、いまでも震えてしまいそう。
「で、なんて答えたの?」
「まだ返事はしてないんだ。突然のことだったから、気持ちの整理が全然追い付かなくて」
梨子ちゃんは少し考えるような間を置いて、
「他に好きな人がいるとか?」
「ううん、そんなことないよ。わたしを好きになってくれる人なんていないと思ってたから、そんなふうに周りを見たことすらなかったし」
現実世界で幸せをつかめるなんて考えたことなかった。
恋愛ゲームとかで、わたしに向かって声をかけてくれる二次元のキャラクターくらいしか興味を持ってくれないとずっと思っていた。
梨子ちゃんに送ったメッセージはヤバイ、先輩に告白されちゃった、だけ。詳しい内容は一切書いてはいなかった。
「三年生の橘先輩という人から告白されたの。わたしのことを好きだから付き合ってほしいっていわれたの」
わたしは歩きながらそう言った。梨子ちゃんのことを考えて、なるべくゆっくり歩くことを意識した。
「橘先輩って、かっこいいで有名な?」
「うん。梨子ちゃんも知ってるんだ」
「噂くらいだけどね」
「実際にかっこよかったよ。なんかね、テレビの人って感じがした」
「初めて、だよね。遥ちゃんが告白されたのって」
「そう。だからすごい緊張したんだよね」
あのときのことを思い出すと、いまでも震えてしまいそう。
「で、なんて答えたの?」
「まだ返事はしてないんだ。突然のことだったから、気持ちの整理が全然追い付かなくて」
梨子ちゃんは少し考えるような間を置いて、
「他に好きな人がいるとか?」
「ううん、そんなことないよ。わたしを好きになってくれる人なんていないと思ってたから、そんなふうに周りを見たことすらなかったし」
現実世界で幸せをつかめるなんて考えたことなかった。
恋愛ゲームとかで、わたしに向かって声をかけてくれる二次元のキャラクターくらいしか興味を持ってくれないとずっと思っていた。