先輩を振るためのコンプレックスだったのに、付き合うきっかけとなってしまっている。
コンプレックスプランは辛い経験をすることで人としての成長を促す制度。それなのにわたしにとってはプラスの要素が多い。
このまま関係が進展したら、どうなってしまうんだろう。気づいたら本当に交際することになってしまうのかな。
コンプレックスプランが続いている間は露骨な反発というのはないのかもしれない。
でも、それが終わったら?
嫉妬の嵐を乗り越えられるの?
橘先輩だってそう。みんながやっている制度とはいえ、自分のことを騙していたこと気づいたら怒ったりしないのかな。
映画館を出たあとはファミレスで昼食をとることになり、わたしは目が見えなくても食べやすいサンドイッチを注文した。橘先輩はパスタを頼んでいた。
食事は違った意味で緊張した。
目が見えないのには完全には慣れていないから、食べるときに口にちゃんと入らないんじゃないかって不安だった。
とくに橘先輩を正面にしていると、その顔を見なくても意識してしまう。
「もしかして、お腹減ってなかった?」
「え、そんなことないですよ」
「じゃあ、篠崎さんは少食なの? それとも女の子ってみんなそうなのかな?」
「そんなに気になりますか?」
「もしかしたら、気分が悪いんじゃないかって心配してるんだ。人混みが苦手だって言ってたから、体調でも崩してるのかなって」
コンプレックスプランは辛い経験をすることで人としての成長を促す制度。それなのにわたしにとってはプラスの要素が多い。
このまま関係が進展したら、どうなってしまうんだろう。気づいたら本当に交際することになってしまうのかな。
コンプレックスプランが続いている間は露骨な反発というのはないのかもしれない。
でも、それが終わったら?
嫉妬の嵐を乗り越えられるの?
橘先輩だってそう。みんながやっている制度とはいえ、自分のことを騙していたこと気づいたら怒ったりしないのかな。
映画館を出たあとはファミレスで昼食をとることになり、わたしは目が見えなくても食べやすいサンドイッチを注文した。橘先輩はパスタを頼んでいた。
食事は違った意味で緊張した。
目が見えないのには完全には慣れていないから、食べるときに口にちゃんと入らないんじゃないかって不安だった。
とくに橘先輩を正面にしていると、その顔を見なくても意識してしまう。
「もしかして、お腹減ってなかった?」
「え、そんなことないですよ」
「じゃあ、篠崎さんは少食なの? それとも女の子ってみんなそうなのかな?」
「そんなに気になりますか?」
「もしかしたら、気分が悪いんじゃないかって心配してるんだ。人混みが苦手だって言ってたから、体調でも崩してるのかなって」