「そういえば番号の交換とかまだだったよね。教えてくれるかな?」
隣を歩く橘先輩がスマホを取り出して言う。
朝の通学路。
梅雨らしいどんよりとした空のもと、わたしは歩いていた。
いつもは梨子ちゃんと一緒か、もしくは一人で学校に向かうけれど、今日は違った。
橘先輩が隣にいる。
梨子ちゃんは今日も学校をお休みみたいで、だからわたしは一人で歩いていたら、正面から橘先輩が歩いてきた。
わざわざわたしのことをむかえに来てくれたみたいだった。
わたしの自宅とは別の方向に橘先輩は住んでいるらしい。
つまり、一度校舎の前を通りすぎてこっちまで来てくれたってこと。
わたしなんかのために。
住所なんかは全然伝えていないから、わたしの家も調べてきたはず。
やっぱり、昨日の告白は、夢じゃなかったってことだよね。こんなわたしを橘先輩が好きだって言ってくれたんだ。
「は、はい」
スマホを操る指もなんか、震えている。
簡単な操作なのに緊張してしまう。
橘先輩の名前が画面で登録されたのを確認して、ほっとため息をつく。
「篠崎さんって何時ごろに寝るの?」
「え、わたしの寝る時間ですか?」
どうしてそんなこと知りたいんだろう。
「うん。それを聞いておかないと、連絡をするタイミングとか考えてしまうから」
つまり、夜中にわたしに電話とかかけるってことかな。
そういうの憧れたな。
ベッドに寝ながら彼氏とどうでもいい話をしながら気づいたら寝てたとか。
って、これは現実だよね。妄想じゃない。
まるで彼氏と彼女みたいな……そうなのかな?
隣を歩く橘先輩がスマホを取り出して言う。
朝の通学路。
梅雨らしいどんよりとした空のもと、わたしは歩いていた。
いつもは梨子ちゃんと一緒か、もしくは一人で学校に向かうけれど、今日は違った。
橘先輩が隣にいる。
梨子ちゃんは今日も学校をお休みみたいで、だからわたしは一人で歩いていたら、正面から橘先輩が歩いてきた。
わざわざわたしのことをむかえに来てくれたみたいだった。
わたしの自宅とは別の方向に橘先輩は住んでいるらしい。
つまり、一度校舎の前を通りすぎてこっちまで来てくれたってこと。
わたしなんかのために。
住所なんかは全然伝えていないから、わたしの家も調べてきたはず。
やっぱり、昨日の告白は、夢じゃなかったってことだよね。こんなわたしを橘先輩が好きだって言ってくれたんだ。
「は、はい」
スマホを操る指もなんか、震えている。
簡単な操作なのに緊張してしまう。
橘先輩の名前が画面で登録されたのを確認して、ほっとため息をつく。
「篠崎さんって何時ごろに寝るの?」
「え、わたしの寝る時間ですか?」
どうしてそんなこと知りたいんだろう。
「うん。それを聞いておかないと、連絡をするタイミングとか考えてしまうから」
つまり、夜中にわたしに電話とかかけるってことかな。
そういうの憧れたな。
ベッドに寝ながら彼氏とどうでもいい話をしながら気づいたら寝てたとか。
って、これは現実だよね。妄想じゃない。
まるで彼氏と彼女みたいな……そうなのかな?