「ほんとに仲良しの二人だったのよ。よく遥ちゃんの教育方針とかで言い合いとかもしてたけど、それも相手を信頼してたからこそのものだったわね」

「どうしていまになってそんな話を?」

「ここで遥ちゃんにその話をすることで、わたしたちも本当の家族になれるんじゃないかと考えてたの」

「……」

わたしが感じている遠慮というものを、おじさんとおばさんも同じように感じていた。
普通に会話をしていてもやっぱりどこかぎこちなくて、それはわたしだけが意識しているものだと思っていた。

「遥も高校生になったからな、そろそろこういう話をしても大丈夫だろうと、母さんと話し合ったばかりだったんだよ」

「そんなときに、ちょうど遥ちゃんがお寿司を食べたいって言ってくれたの」

「そうだったんだ」

これもなにかの運命なのかな。
もしかしたら、おじさんとおばさんの意志がわたしの心に働きかけたのかも。

わたしはおじさんとおばさんのことが決して嫌いというわけじゃない。

二人ともわたしに愛情を注いでくれているのはよくわかる。わたしが素直になれれば、もっと家族らしくなれるはずだけれど……。

「どうして、わたしを引き取ったの?」

こんなこと、食事中に聞くべきことじゃないのかもしれないけど、どうしても気になってしまった。前々から感じていた疑問でもあるし。

「どうして、と言われてもな。兄さんたちも近くに住んでいて、だから遥はわたしたち夫婦にとっても子供みたいなものだったんだよ」