「あ、」
星が瞬く空に大きな一輪の光の花が咲いた。次々と打ち上げられる花火に、私たち三人は歓声を上げる。
色とりどりの光に照らされた彼の横顔が、綺麗だと思った。
「ありがとう、すず。誘ってくれて」
翼くんが私の目を真っ直ぐに見て言った。私は大きく頷く。
「また来年も、三人でここで見たいな」
「そうだね。――」



高校二年生、夏。

この夏、私たちは必死に今を生きた。

来年も、その先も、またきっと。

秋の訪れを感じさせる風が、夜空に溶けた。