教室に重なる悲鳴を聞き、まだ姿が見えない担任は軽く舌打ちをした。

「遠藤が来たのか?静かに席に座ってろ。みんな静かにしろー大切な話がある」
 自分の目に見えないものは信じないタイプだな。日誌で教卓を叩きながら叫ぶけど教室の騒ぎは収まらなかった。

「怖いよ!誰か席代わって!」
 遠藤くんの前の席に座っている谷口さんが自分の机を移動させて後ろに下がると、大岸くんが素早く動いて谷口さんの席とチェンジした。

 僕と遠藤くんが並んでいて
 その前に北沢と大岸くんが並ぶ。

「よろしく」
 北沢が大岸くんにそう言うと、クールに「うん」って答えていたけど、次の瞬間は耳が赤くなっていた。

 僕はなぜか複雑な気持ちになって、その様子を見ていたら横から視線を感じた。
遠藤くんが僕の方を見て「ファイト」と小さく声を出したので、僕は「だまれ」と返事をして前を向く。

 誰のせいだと思ってんだよ