「落ち着いた?」
「うん」
「じゃあオレ、そろそろ戻る。おばちゃんにバレたら面倒だから」
「え!? ヤだ、いかないで」
身体をおこそうとする晴をついつい引き留めちゃう。
「バカ、ひきとめんなよ。せっかく穏やかに撤退しよーとしてんのに」
だって寂しかった。『彼女』だとか『結婚』だとか言われた途端に、甘えが出始める。

「もうちょっといてよ」
「・・・」