「あれ? 私ら家の話してなかったっけ?? 食器棚って家具じゃん」
「あ。ホントだ」
自分の家を持つのが目標ってわりに、家自体にはこれといって特にこだわりはないらしい。「別にどんなのでもいい。フツーのヤツで」って晴が笑う。
「こーゆう間取りがいいとか、壁は何色がいい、とかみたいなのも?」
「ない」
晴の求めてるものが何なのか、なんとなくわかる気がした。
晴が欲しいのはたぶん『幸せ』。家はその象徴みたいなものなのだ。
大切で、あったかくて、幸せだなあって思える場所。
そういう場所がほしいだけ。
「んじゃ一花は? どんな家がいーわけ?」
「ええっとーーーーーソファのある家かナ」
「なんだよ、やっぱ家具じゃねーか!」
「へへへ」
どんな家だっていい。晴が一緒なら。
「晴とソファに座りたい」
「んじゃ、ソファ買おうぜ」
「うん。食器棚も! 大きいお皿も買う?」
「買う!」
「あ! そうだそうだ、後さあーーー」
私たちは薄い上掛けの中で、ぴったりくっつきあって、そんな話を飽きることなく延々とし続けた。
「あ。ホントだ」
自分の家を持つのが目標ってわりに、家自体にはこれといって特にこだわりはないらしい。「別にどんなのでもいい。フツーのヤツで」って晴が笑う。
「こーゆう間取りがいいとか、壁は何色がいい、とかみたいなのも?」
「ない」
晴の求めてるものが何なのか、なんとなくわかる気がした。
晴が欲しいのはたぶん『幸せ』。家はその象徴みたいなものなのだ。
大切で、あったかくて、幸せだなあって思える場所。
そういう場所がほしいだけ。
「んじゃ一花は? どんな家がいーわけ?」
「ええっとーーーーーソファのある家かナ」
「なんだよ、やっぱ家具じゃねーか!」
「へへへ」
どんな家だっていい。晴が一緒なら。
「晴とソファに座りたい」
「んじゃ、ソファ買おうぜ」
「うん。食器棚も! 大きいお皿も買う?」
「買う!」
「あ! そうだそうだ、後さあーーー」
私たちは薄い上掛けの中で、ぴったりくっつきあって、そんな話を飽きることなく延々とし続けた。