晴の告白にドギマギと頬を染める私に、しかし晴は苛立ちの混ざった困惑の表情を浮かべた。

「・・・・そーじゃねんだよ」
「え??」

チラッと三花さんのほうを見てから晴はもう一度口をひらいた。
「言い方変える。一花が一緒に住みたいなんて言い出してみろよ、そこんちの男は毎日毎日一花とヤルことしか考えなくなるぞ。オレにはわかる! だってオレがそーだった!!」
三花さんが慌てる。
「なっ・・なんつー問題発言!! 晴くん、そーゆうコトはわざわざ自白しなくてもいいの!!」
「だって言ってやんねーとわかんないだろ!? 一花カワイイんだもん・・襲われてからじゃ遅いんだよ!!」
晴のとんでもない暴露話に胸をぎゅんぎゅんさせつつも、私は今言われたことを想像してみたのだ。
「父親の家でそこんちの子に襲われるとか・・そんなコトあるーーー!?」
「ある!! 血縁のない見ず知らずの男と同居なんて薄氷の上を歩くよーなモンだぞ。よーく考えろ!」
そう言われると怖くなった。
「そ、そんなのーーー晴じゃなきゃヤだ・・じゃあ施設に入るから・・」
「そこだってこえーよ。オレ心配で寝れねえよ。オレは一花をどこにもやりたくない!!」
ガバッと私に抱きついた晴はポロポロ涙をこぼして泣き出してしまった。
で、泣きながら晴が漏らすのだ。
ホントはオレがなんとかしてやりたいのに、って。
なのに自分には何にもできない、悔しい、って。

晴の流す涙があんまり綺麗で。
私たちはそれぞれが、ひとしきり泣いた。

三花さんは晴に貰い泣き。
私は、幸せで。