そして三花さんはすぐに帰ってきた。
どたどたどたーって騒がしく居間に現れた三花さんは賄いのお鍋を抱えたまま「ちょっと晴くん!!」って佐山くんの下の名前をすんごい大きな声で叫ぶ。
ギクリと肩をすくめた彼が、恐る恐る三花さんのほうを振り向いた。

「・・おばちゃん、久しぶり・・」
「アンタ、お兄ちゃんの女寝取って追い出されたって本当!?」

「え!!」

今叫んだのは私。
仁王立ちの三花さんと、ちょうど彼女の足元に座ってる私とにガッツリと視線を注がれて、佐山くんはすんごいバツの悪そうな顔して黙り込んだ。