学校へつくとさっそく私は同じクラスのヒメちゃんに佐山晴のことを聞いてみたのだ。あの人、いったいどんな人?って。
たしかヒメちゃんは佐山と同中って話だったから。
「佐山くんはねえ・・」
顎に手をそえてナナメ上を見上げつつ、ヒメちゃんが口をひらく。
「あの人、ずーっと不登校だったよ」
授業はほとんど欠席。たまーに学校に来てもいわゆる保健室登校ってヤツをしてたらしい佐山。だけど給食だけはシッカリ食べて帰ってた。
「でもね? 佐山くんの場合はメンタルが原因の不登校ってわけじゃなくてーーー」
なんと佐山晴にはすでに中学時代から『学校サボってバイトしてる疑惑』があったそうなのだ。
「ちゅ、中学生がバイトって可能なの!?」
「いや、あの人昔からすんごいガタイがよかったからさ。『高校生』って言ってもパッと見まったく違和感がナイわけ。たぶん年誤魔化してバイトしてたんだよ」
彼女によれば彼の自宅は『ドン底住宅』の異名を持つ公営住宅で、そこに父親と二人暮らし。「すんごい貧乏なんだって」と、マジメな顔したヒメちゃんが小声でささやく。
技術家庭科とか美術とか、お金のかかる道具が必要な科目には絶対出席しなかった。もちろん修学旅行にだって来ていない。
そんなだから佐山晴のバイトは給食費を稼ぐためだって噂されていたのだとか。
「そ、そうなんだあ・・」
佐山晴の家庭環境は私の想像以上だった。
たしかヒメちゃんは佐山と同中って話だったから。
「佐山くんはねえ・・」
顎に手をそえてナナメ上を見上げつつ、ヒメちゃんが口をひらく。
「あの人、ずーっと不登校だったよ」
授業はほとんど欠席。たまーに学校に来てもいわゆる保健室登校ってヤツをしてたらしい佐山。だけど給食だけはシッカリ食べて帰ってた。
「でもね? 佐山くんの場合はメンタルが原因の不登校ってわけじゃなくてーーー」
なんと佐山晴にはすでに中学時代から『学校サボってバイトしてる疑惑』があったそうなのだ。
「ちゅ、中学生がバイトって可能なの!?」
「いや、あの人昔からすんごいガタイがよかったからさ。『高校生』って言ってもパッと見まったく違和感がナイわけ。たぶん年誤魔化してバイトしてたんだよ」
彼女によれば彼の自宅は『ドン底住宅』の異名を持つ公営住宅で、そこに父親と二人暮らし。「すんごい貧乏なんだって」と、マジメな顔したヒメちゃんが小声でささやく。
技術家庭科とか美術とか、お金のかかる道具が必要な科目には絶対出席しなかった。もちろん修学旅行にだって来ていない。
そんなだから佐山晴のバイトは給食費を稼ぐためだって噂されていたのだとか。
「そ、そうなんだあ・・」
佐山晴の家庭環境は私の想像以上だった。