「でもまあ・・風呂パスして寝よーとするくらいだから、ダイジョーブだったのはわかってる」
やっとのことで負のループから抜けだした晴はけして機嫌がいいわけじゃなかったけれど、「アレくらいですんだのは、不幸中の幸いだった」って言って安堵のため息をもらした。

「普通、無事には帰れねえからな? そんな状態で」
「だよね」
「一花のママのおかげだぞ。あのおっさん『無理強いなんかしたらチカチャンに怒られる』って言ってた」
「そっ・・かあ・・」

ママと堤さん。
もしかしたら私が考えるよりは、気持ちのある関係だったのかもしれない。

きっと私はラッキーだった。
変な言い方だけど、相手に恵まれていたのかも。