晴が肩にひっかけてたリュックをおろしてちーってファスナーを開けた。
で、手えつっこんでガサガサと中を探る。
晴が取り出しのは、ふたりで回収しに行ったあの通帳と印鑑だった。
「これ、やる。一花ほどは持ってねえけど」
促されて通帳を開いてみると・・

「823,707円・・」
「これで一花の2年をオレが買う! あのおっさんじゃなくてオレに買われて、オネガイ」

通帳を握りしめる手がぶるぶると震える。頭はマッシロ。
まばたきを忘れた両目からぽろりと涙がこぼれた。

「も、もうどうしたらいいかわからない・・」