言葉の意味はわかるが理解が追いつかない。
晴がそばにいながら堤さんに週に何度か身体だけを提供する生活・・・・考えただけでゾッとする。そんなの耐えられない。
だけど、だ。
耐えられないのは私だけじゃないはずなのだ。晴だってこんなこと、我慢できるワケがないんだから。

私は「けっ」て晴から顔を背けた。
「バッカじゃないの。待つなんて無理に決まってる。そんなことできるわけない」
「いーや、オレにはできる。だってオレ、ツライことにはわりと耐性があんだよね。一花の10倍はガマンできるぜ」
嘘だと思うなら試してみろよ、と晴が凄む。そしてーーー

「愛人やりたきゃやっていい。だけど最後は絶対オレんとこ帰ってきて」

眩暈がした。
もしかして、晴なら本当にそーゆうことができちゃうのかもしれない、と思って。
だって実際にやってた人がいる。
お父さんにソックリな顔した晴の中に、思わずあの人の面影を探してしまう。

血、なのだろうかーーー