色々知ってて、女にすんごい慣れてそうな堤さんの手つきは、晴のそれとはまるで別モノだった。
冷たく縮こまる心とは裏腹に、身体にだけは強烈な震えが走る。
男の喜びそうな声が漏れてしまわないように、私は必死でそれを抑え込んだ。

だって、こんなモノがこぼれ落ちてしまったらーーー

わたし、どうなるーーー?

プライドなんか絶対に守れない。自尊心は最後の砦だ。ココをズタズタにされたらもう自分を保っていられる自信がない。

晴のアパートで遭遇した怖いお姉さんの顔が頭をよぎる。
ーーーゴメン、晴。やっとわかった。
晴が言ってたのって、きっとこーゆうこと。
心と身体がバラバラになりそうな恐怖に襲われておかしくなりそうだった。

「好きだよ、一花ちゃん」

胸元を弄ばれながら囁かれた言葉に、悔しくて、情けなくて、涙がひとつぶ頬を伝う。

ーーーんなワケあるか!! オマエのそれは『好き』とは違うッッ!!