身体だけ差し出すつもりだったのだ。

しばらくの間目を閉じて、嫌々抱かれるのをガマンする。
私が諦めるのは身体だけ。
心もプライドも、ちゃあんと守られるハズだった。

だがしかし。

私はひとつ、とても大切なことを見落としていたらしいのである。

堤さんの手のひらがヤル気満々で私の身体の上を滑り始めてすぐ、私は自分の犯した大マチガイに気がついた。
どうしても、コントロールできないモノがあったのだ。

触られるたびに湧き上がってくる、とんでもなくキョーレツなこの『感覚』。

これがーーー手に負えないのである。