重たそうなドアを押さえてくれる堤さんの横をすり抜けて、あかりのない暗い部屋に足を踏み入れた。続いて堤さんが部屋に入った途端、真っ暗だった部屋にほんのりとあかりが灯る。

「うっ・・わあ・・」

そこは、大人っぽくてゴージャスな、とても素敵なお部屋だった。
印象的な横長の大きな窓から視界いっぱいに夜の海が広がって見えるのは、あえて照明を落としてお部屋を薄暗くしてあるから。
そしてその窓を望むように、大きなベッドがどーんとひとつ配置されている。
ナルホドね。あそこにふたり並んで一緒に夜景を眺めるってワケね。

ふうーん。
へえええ。


「・・・」


ガクブルと足がすくんだ。