で、話はぐるんと最初に戻る。
「晴のこと、好き?」
遥さんは、晴の決断を応援したい。晴の気持ちがよくわかるから。
とはいえ、晴に自分と同じ轍は踏んでほしくないのだ。想いを返してもらえない相手との恋は辛い。私たちが相思相愛であれば・・と願ってのこの質問なのだろう。

遥さんに「晴が大好きです」と答えながらも、私は今聞いた話をぐるぐると頭の中で反芻し続けていた。

「遥さん、質問してもいいですか?」
「なに?」
「もしも今、真治さんにやり直そうって言われたら・・・・真治さんと英明さん、どっちを選びますか?」
いきなりの質問に「えっっ」て驚きつつも、遥さんはーーー

「英明さん」

即答だった。
「だって私が今愛してるのは英明さんだもの」
真ちゃんなんかパス!と笑いながら、遥さんは幸せそうに目を細めたのである。