「おまえ、さっきからずーーっと『アッチに行け』って、そればっか勧めてくるけど!!」
「う、うん・・」
「おまえはオレがいなくなってもいーのかよ!? 寂しくないの??」

「そっ・・そりゃあ・・・・」

『寂しいに決まってる』って言葉を、私は必死で飲み込んだ。
だって、ひと言でもそんなことを口にしちゃったら、晴の背中を押そうだなんてキッツイこと、二度とできなくなりそうで。

「私のことなんか今はどーでもいいの。晴は自分のことだけ考えてよ」
「答えになってない!!」

だけど、これもまた私の本音であることには違いなかった。
私のことなんか抜きにして、キチンと将来のことを考えてほしい。
その結果、ふたりがどういう結末を迎えようが構わない。晴の人生が好転するならそれでいい。

「晴には幸せになってほしいんだって言ってるでしょ」
「オレが聞いてるのはそーゆうコトじゃない! オレがいなくなったら寂しいか、って聞いてんの!!」

「・・・」

「ねえ、寂しい?」