気がつけば、遥さんの帰りの新幹線の時間が迫っていた。
しょんぼりと肩を落とした遥さんが残念そうに席を立つ。

最後に遥さんは、ショルダーバッグの中から向こうの住所と電話番号を綴ったメモを取り出して一生懸命晴を誘った。

「一度遊びにおいで。待ってるから」
「わかった。んじゃ今度遊びに行く」
「絶対よ。連絡してね?」

名残惜しそうにたっぷりと晴の顔をみつめてから、遥さんはひとり、三花さんのおうちを後にしたのである。