居間のちゃぶ台をぐるりと囲むようにして座った私たち。
まずは三花さんが佐山に私を紹介した。
「こちらは朝比奈一花(あさひないちか)ちゃん。事情があって今うちで預かってるの」

ふんふんとそれを聞いていたヤツが私のほうへと顔を向けてくる。
「アサヒナさんも家追い出されたの?」
「んなワケない」

私がここいるのは、親と家を同時になくしちゃったからだ。