「美希、ごめんな、嫌がることはしないって約束したのに、俺はあいつに嫉妬した、あいつはいいのになんで俺は駄目なのかって……そんなの決まってるよな、俺は美希に嫌われてるんだよな」

「違います、違うんです」

私はこれ以上何も言えなかった。

「飯食おうぜ、コンビニで買って来たから、今日はこれで済ますぞ」

「わざわざ買いに行ってくれたんですか」

私は彼に申し訳ない気持ちで、涙が溢れて止まらなかった。

いつもなら彼は私を抱きしめてくれるのだが、今日は抱きしめて貰えなかった。

私は彼に嫌われたと思い込んだのである。

夜寝る時も、いつもなら腕枕をしてくれるのに、今日は私に背を向けて眠ってしまった。


俺は美希の元彼に嫉妬した。

美希が気軽にお茶したことも嫌だった。

俺は美希が何かに悩んでいることには気づいていたが、それが何なのかわからずにいた。

毎回俺はなぜ避けられるのか、あと一歩が進むことが出来ない。

今日は美希を抱きしめる気持ちになれなかった。