「ごめん、確かに麗子のわがままにはうんざりしていたのは事実だ、それに美希ちゃんに惹かれていたのも事実だ、でも麗子が事故にあったって聞いた時、麗子を失いたくないと思った、麗子を愛している自分に気づいた」

「楓、私赤ちゃんが欲しいです」

麗子は頬を真っ赤に染めて恥ずかしがった。

「そうだな、俺は子供をあやすの上手いぞ」

「そうですか、退院したら頑張りましょう」

麗子はニッコリ微笑んだ。

望月は蓮と連絡を取った、美希の悩みを伝えるためだ。

「蓮、どうだ、美希ちゃんの育児を手伝ってるか?」

「いや、なかなか俺に懐いてくれなくてな」

「それはお前の努力が足りないからだ、美希ちゃんは悩んでいたぞ」

「えっ、美希が?」

「ああ、手伝ってやれよ」

蓮はこの時、望月に嫉妬していた。

「美希はお前には悩みを打ち明けるんだな」

「はあ?何言ってるんだ、お前が聞いてやらないからだろ、お前は美希ちゃんに甘え過ぎだ」

「わかってるよ、そう言えば奥さんとはどうなった?」