そして...どんなに辛く悲しくても、誰かを傷つけていい理由にはならない。
 今ならわかる。
 愛するということ、すべてに正直でいたい。そして今を無駄にしてはいけない。
 自分を信じて、ありのままをさらけ出すんだ。
 そこにはまだ見ぬ世界が広がっているに違いない。
 その先に広がる景色はきっと私をより強くさせてくれるだろう。
 私もそこから成長していくのだ。
 あの日のきみと、私は一緒に生きていくって決めたから。
 
 
 『お姉ちゃん、これからもずっと大好きだよ。
 だから私たちのこと見守っててほしい。
 もう大事な人は失わないから。幸せになるね』
 
 私は心の中で姉にそう呟いた。
 
 
 
 二人を見守るようにして、空には満月が輝いていた。