「このアクセ可愛い!杏莉に似合いそう!!」
そんな事を言いながら柔らかい笑顔で振り返る彼女に不意にドキリとしてしまう。
その手にあるのは雫型の淡い黄色の石のイヤリングだった。
「そ、そうかな…?」
痛くなるほどドキドキとなっている心臓がバレないように答え、熱い顔を隠すため目をそらす。
「あ、これ優羽に似合いそうだな。」
思わず呟いてしまったそれは優羽がおすすめしてくれたものの色違いで優しい紫色の雫型の石がついていた。
「どれどれー?お、この色可愛い!
そーだ!杏莉、これお揃いで買わない?」
値段を見ると1000円もしなかった。今月のお小遣いはまだ余裕があるしデザインも気に入っている。何より優羽とお揃いだ。
「いいね。そうしよ!」
2人はそれぞれ色違いのイヤリングをもってレジへ並んだ。
店を出て早速イヤリングをつける。
優羽とお揃いを付けている状況に思わずにやけてしまいそうになる。
やっぱり優羽はイヤリングがとても似合っていて可愛かった。
「優羽似合ってるよ。可愛い!」
「ありがと!杏莉も似合ってるよ!!」
「ありがとう。」
「次どこ行こっか?」
「んー、どこか入ってのんびりしない?」
尋ねるとそんな答えが返ってきたので、私たちはカフェに向かって歩き出した。