久しぶりに優羽とのトーク画面を開いた気がする。
優羽から連絡があったあと、私はスルーしていたのに時々連絡が入っていて、通知をオフにしていて良かったと心から痛感した。
今からやることは優羽と私の今までの関係を全て崩す事だ。きっともう会えなくなるし話せなくなる。優羽の笑顔を見ることは無くなるんだなんて思うと自然と指が震えてきて。自分で決めた事なのにどうしてもやっぱり怖い。
でも、やらなきゃいけない事だから。優羽を、私を、傷つけないために、傷つかないために。
震える手で文字を打っていく
『もう優羽のこと嫌いになったから
てゆうかずっと嫌いだったから
もう連絡してこないで
まぁブロックするから意味無いけどね
さよなら』
これを送ってしまえばもう優羽と今まで通り遊ぶなんて、話すなんて出来なくなるのに、打つ時はあんなに時間がかかったはずなのに送ってしまうのは一瞬だった。
震えている指のせいで思わず送信ボタンを押してしまった。
すぐに既読が着いたことでもう戻れないと痛感する。
どんな返信が来るのだろう。そもそも返信なんてしてくれるのだろうか。
自分で決めたはずなのに目頭が熱くなってきて。思わず1滴溢れたかと思うとそれを引き金に後から後から熱い雫がこぼれ落ちて私の視界を、取り返しのつかないトーク画面を濡らしていく。いっその事この雫がこの文字を、流して消し去ってしまえばなんて思ったりもしたけれど。何故か私は送信を取り消すことは出来なかった。
10分近くたったのだろうか、涙が収まって、滲まなくなった視界で確認するとまだ返信は来ていなかった。
これ以上見ているのはきつくてスマホを閉じる。何となく見た 窓の外は私の心情とは似ても似つかないどころか真逆の綺麗な晴れ模様で。それがまるで私は主人公じゃなくて、誰かと結ばれるなんて無理だと言われているようで思わず目をそらす。
何もやることがないままお母さんに呼ばれるまでずっとベッドの上で座り込んでいた。