「だからあたしも好き......、バカ!」
 そう言うと、彼女は俺にキスをしてきた。
 淡く触れるだけのキスが展開される。
 キスを終えると、美沙は言った。
「好き。だから、あんたも元気で......」
 そして、美沙は最後に親鸞聖人の言葉を継げる。

「煩悩を断ぜずして涅槃を得るなり」

「煩悩があっても悟りは得られるって意味か?」
 と、俺は尋ねる。
「そう。親鸞聖人はそう言っている。私たちは、煩悩の塊だけど、他力の力を信じればいいの。そうすれば道は拓ける。今にピッタリの言葉でしょ?」
「あぁ、そうだな。ありがとう......。美沙も元気で」
 俺たちは、こうして別れた。
 付き合えたのかな?
 それさえもよくわからないや。
 けど、俺の想いは伝わった。
 とにかく俺は目標に向かって突き進む。
 美沙のように仏教を学び、彼女といつか語り合えたらいい。
 その日を信じて、俺はやっていく!
〈了〉
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