「これ以上、私を困らせないでください。次は本気で投げます」
「お、お前何なんだ、一体?」
「少しだけ、武術の心得があるんです。あなたには引けを取りません」
流石に投げられて格好がつかなくなったのだろう。
彼はツバを吐き捨てると、そのまま立ち上がり、美沙に怒声を浴びせて帰っていった。
こうして、俺と美沙は残された。
「大丈夫、榊原?」
「あぁ、お前、強かったんだな」
「柔道していたからね。まぁ昔だけど」
「そうだったんだ。なんか俺、カッコ悪いな。佐伯さんにひどいことして、それで、生徒会長に殴られて......」
そう言えば、美沙に出会った時、ぶつかったんだよな。
その時、見事な受け身をしていたではないか。
あれが今回の伏線か......。
まさか本当に武道をしていたなんて。
ギャル×武道×僧侶。
まったくちぐはぐだよね。
「本当は更生させてやりたかったんだけど、あたしの力不足ね。まぁ、あんたはちょっと痛い目をみないと」
「まぁそうかもしれないけど」
「立てる?」
「うん。大丈夫」
若干胃液がこみあげてくるが、俺は何とか耐えた。
俺たちは、鐘の前で相対した。
聞きたい話は山のようにある。
だけどまずは......。
「美沙......、じゃなくて、知立さん」
「もう美沙でいいわ。めんどくさいし」
「そう、じゃあ美沙、ホントに引っ越すのか?」
「そうよ。昨日も少し言ったけれど、パパに正式に僧侶になることを許してもらえたの。だから、これから修行するのよ」
「修行って滝行とかか?」
「バカ! あたしは浄土真宗の僧侶よ。前も少し言ったけど、浄土真宗は厳しい修行をしないのよね」
「えっと、厳しい修行をできない人間は、劣っていると考える時点で、ダメなんだよな。すべての人間が救われる。それが仏教だし、親鸞聖人の教えでもある」
「わかってるじゃない」
「少し勉強したんだ」
「勉強って仏教を?」
「あぁ、それに東京にも言ってきた、仏教系の大学をみて、後は築地本願寺にも行ってきたんだ」
「なんでそんなこと......、したのよ?」
「う~ん、何だろう? ただ、俺も少し仏教の勉強がしたくなったんだ」
それまで、俺にはやるべきことがなかった。
ただ、ダラダラと生きていたにすぎない。
けどね、それは美沙と会って変わったんだ。
「お、お前何なんだ、一体?」
「少しだけ、武術の心得があるんです。あなたには引けを取りません」
流石に投げられて格好がつかなくなったのだろう。
彼はツバを吐き捨てると、そのまま立ち上がり、美沙に怒声を浴びせて帰っていった。
こうして、俺と美沙は残された。
「大丈夫、榊原?」
「あぁ、お前、強かったんだな」
「柔道していたからね。まぁ昔だけど」
「そうだったんだ。なんか俺、カッコ悪いな。佐伯さんにひどいことして、それで、生徒会長に殴られて......」
そう言えば、美沙に出会った時、ぶつかったんだよな。
その時、見事な受け身をしていたではないか。
あれが今回の伏線か......。
まさか本当に武道をしていたなんて。
ギャル×武道×僧侶。
まったくちぐはぐだよね。
「本当は更生させてやりたかったんだけど、あたしの力不足ね。まぁ、あんたはちょっと痛い目をみないと」
「まぁそうかもしれないけど」
「立てる?」
「うん。大丈夫」
若干胃液がこみあげてくるが、俺は何とか耐えた。
俺たちは、鐘の前で相対した。
聞きたい話は山のようにある。
だけどまずは......。
「美沙......、じゃなくて、知立さん」
「もう美沙でいいわ。めんどくさいし」
「そう、じゃあ美沙、ホントに引っ越すのか?」
「そうよ。昨日も少し言ったけれど、パパに正式に僧侶になることを許してもらえたの。だから、これから修行するのよ」
「修行って滝行とかか?」
「バカ! あたしは浄土真宗の僧侶よ。前も少し言ったけど、浄土真宗は厳しい修行をしないのよね」
「えっと、厳しい修行をできない人間は、劣っていると考える時点で、ダメなんだよな。すべての人間が救われる。それが仏教だし、親鸞聖人の教えでもある」
「わかってるじゃない」
「少し勉強したんだ」
「勉強って仏教を?」
「あぁ、それに東京にも言ってきた、仏教系の大学をみて、後は築地本願寺にも行ってきたんだ」
「なんでそんなこと......、したのよ?」
「う~ん、何だろう? ただ、俺も少し仏教の勉強がしたくなったんだ」
それまで、俺にはやるべきことがなかった。
ただ、ダラダラと生きていたにすぎない。
けどね、それは美沙と会って変わったんだ。

