「ゴメン」
「でも好き。好きなの」
「ゴメン」
「どうしてダメなんだろう? 恋って難しいね。私はこんなに好きなのに......、その思いが届かない。これって不幸だよ」
「うん」
「けど、泣いたらすっきりした。知立さんっていい人だね。私ね、知立さんを殺してやろうと思ったの、ホント鬼だよね。だけど、知立さんは優しく受け止めてくれた。全然違うよ。ねぇ、悠真君、最後に聞くけど、本当にダメなの?」
「うん、これ以上付き合ったら、俺もっと君を傷つけると思う。だからこれで終わりにしよう」
「......そ、っか......、終わりか......、何か寂しいな。私の初彼氏だったのに。でも、いいや。悠真君が後悔するくらいのいい女になってやるから」
「うん。ホントゴメン......」
「最後は笑顔でお別れしよ。今まで思い出をありがとう。さようら、悠真君、ごきげんよう」
 そう言い、瞳ちゃんは消えて行った。
 涙が残っていたけれど、最後は笑顔だった。
 ゴメン......。
 瞳ちゃん。
 あぁ、ホント、俺何してるんだろうな......。

 翌日――。
 俺は美沙に呼ばれている。
 夏休みだから、日中に行っても問題ないだろう。
 俺は自転車に乗り、美沙の自宅である祐善寺に向かった。
 夏の暑い日差しが降り注ぐ一日だった。
 昨日、美沙は言っていた。
 東京の高校に行くと......。
 つまり、新潟を離れるのだ。
 だから、俺は美沙とは会えなくなる。
 昨日勢いで告白しているけれど、それもきっと玉砕に終わるだろう。
 祐善寺には、先客がいた。
 それは、生徒会長の二階堂一馬だった。
 そう言えば、美沙はこの男と更生させようとしているんだっけ。
 俺が祐善寺にたどり着くと、鐘の前に美沙と二階堂がいるのがわかった。
 美沙はいつもギャル系の服装。
 太ももが丸見えのホットパンツに、フェミニンなキャミソールを着ている。
 全体的に露出が多い。
 対する、二階堂はジーンズにTシャツという軽装である。
 ただイケメンだから似合っているんだよね。
 俺は地味だ、イケてない。
 まぁ、どうでもいいんだけど......。
 同時に、俺が来たことに二階堂も気づいたようである。
「何だお前、何しに来たんだよ?」
 不満そうに二階堂は言った。
 既にキャラが変わっている。
「ちょっと用があって」