瞳ちゃんと、新潟駅で待ち合わせして、そのまま弁天公園に向かう。
 この公園は以前も紹介した新潟駅の近くにある公園だ。
「瞳ちゃん、俺仏教を勉強するよ」
 と、俺は開口一番そう言った。
 すると、瞳ちゃんは驚いたような顔をした。
「そうなんだ、ホントに仏教するんだ」
「それで、俺、言わなくちゃならないことがある」
 言わなくちゃらないこと。
 それは――。
「ダメだよ」
 と、瞳ちゃんが言った。
 その声にはどこかとげがあるような気がしたよ。
「ダメって何が?」
「悠真君は私だけを見ていないとダメなの。私たち、ずっと一緒だよね?」
 瞳ちゃんは気づいている。
 俺がこれから告白するセリフを。
「これ以上、言っちゃイヤだよ」
「ゴメン、瞳ちゃん、俺やっぱり......」
「だから言わないで」
 ダメだ。言わないと。
 ここで俺が曖昧な態度を取ってしまうと、絶対によくない。
「瞳ちゃん。ゴメン。俺、君とは付き合えない」
「......」
 瞳ちゃんの瞳が大きくなり、そして、泣き出した。
「イヤ、イヤったらイヤ。絶対別れない」
「俺、これ以上自分の気持ちに嘘は付けない」
「どうして? どうしてなの?? やっぱり知立さんが好きなの?」
 美沙が好きか?
 恐らくそれは――。
「うん。俺は知立美沙さんが好きだ。今までずっと気づかなかった。だけど失って初めて、その気持ちに気づいたんだ」
「ダメだよ。そんなの、そんなの許さないから」
 なんだか、瞳ちゃんの様子がおかしい。
 みるみる暗黒面に染まっていく。
 そんな気がしたよ。
「瞳ちゃん。ゴメン」
 と、俺はそう言うしかなかった。
 謝って済む問題ではない。
 それはわかっている。
 人が人と付き合うのって、それだけ大切なつながりなんだ。
 だけど、俺はそのつながりを断とうとしている。
「悠真君......」
「瞳ちゃん。君にはすまないと思ってる。だけど、俺自分の気持ちにウソはつけない」
「ひどいよ。私、悠真君にフラれたら死ぬから。死んでやるから」
「そんなこと言わないでよ」
「なら、付き合って。知立美沙なんて忘れて」
「忘れたい......。何度もそう思ったんだ。そして、君を好きになろうとした。けど、無理なんだ、どうしても美沙が頭か離れない」