ヒザ丈の白の半袖ワンピース。
 ウエストにベルトをして、アクセントをつけている。手には少し大きめなカバンを持っていた。
「何か緊張する」
 俺に会うなり、瞳ちゃんはそう言った。
「どうして?」
「だって、悠真君の家に行くんだよ。ご両親にもあいさつしないと」
「あぁ、俺の親、今日は仕事でいないんだ」
「え、ご両親いないの?」
「うん。妹はいるけど」
「それじゃ、そんな......キャー」
 勝手に一人盛り上がる瞳ちゃん。
 女の子ってホントよくわからない。
 自宅に着き、部屋に瞳ちゃんを案内する。
 すると俺たちがやってきたのを聞きつけたのか、陽菜やってきたのである。
 それもジュースをお盆に乗せて。
「兄がお世話になってます」
「えっと、悠真君の妹さん?」
「はい、陽菜っていいます」
「陽菜ちゃん宜しくね」
 すると、微かに陽菜が舌打ちしたかのように見えた。
 そして――。
「キャー」
 と、やや演技臭く、陽菜がジュースをこぼした。
 それが瞳ちゃんにかかりそうになったのだが、服にはかからず、足に零れてしまった。
「あぁ、ゴメンナサイ。慌ててしまって」
「ううん、大丈夫だから、陽菜ちゃんも大丈夫? かかってない?」
 ジュースをかけられたのに瞳ちゃんは陽菜の心配をしている。
 やはりいい子なのだ。
 陽菜が意外そうな顔をして、瞳ちゃんを見ていた。
 俺は雑巾を取ってきて、床を拭く、後はタオルで瞳ちゃんに渡す。
「陽菜、お前はもういいから、あっち行ってろ」
「はいはい。どうせ私は邪魔ものなんでしょ」
 そう言い残すと、不満そうに陽菜は消えていった。
「ゴメンね。瞳ちゃん、大丈夫?」
「うん、私は大丈夫。私、陽菜ちゃんに嫌われているのかなぁ?」
「そんなことないと思うけど。でもよかったよ服にかからなくて、白いワンピースだもんね。すごく似合ってる」
「ありがとう、これ買ったばかりなの」
「そうなんだ......、じゃあ勉強しようか」
「そうだね」
 俺たちは夕方まで一緒に勉強をした。
 そして夕方五時に切り上げて、瞳ちゃんを送っていく。
 だけど、瞳ちゃんは何だか不満そうだった。
 別れ際、瞳ちゃんは言った。
「あ、あの、私って魅力ないのかなぁ」
「そんなことないけど」
「でも、悠真君は何もしてこなかったよ」