とはいっても、僧侶になるとかそんな感じじゃなくて、どんな世界なのか見てみたいのである。
「悠真君のしたいことって何?」
「う~ん、ちょっと変なんだよ」
「いいよ、聞かせてほしいな」
「うん。実はさ、仏教の勉強とかいいかなって」
「......」
 すると、瞳ちゃんは黙り込んだ。
 やっぱりマズいこと言ったのかな?
「それって、知立さんの影響?」
「え?」
「だから、知立さんが関係してるんじゃないの」
「い、いや、そういうわけじゃ......、まぁきっかけを作ったのは彼女だけど」
「ダメです。悠真君は私だけを見ていないとダメなの!」
 突然、瞳ちゃんが不機嫌になった。
 それはそうだろう。
 自分という彼女がいながら、別の女の子の名前が出たら、イヤな気持ちになるかもしれない。
「ゴメン、特に深い意味はないんだ。ホントに」
 ムスッとしながら、瞳ちゃんは、俺の手を取った。
「悠真君は私のモノなんだから。悠真君、今日は罰として私にコーヒーご馳走して」
「わかったよ。今日だけだぞ」
 俺たちは学校を出てカフェに向かう。
 定期テストが近い時は、真っすぐ家に買って勉強したけれど、それが終わると腑抜けてしまう。
 夏休みまであと数日。
 俺たちは学校が終わると、大抵万代にあるカフェに行って談笑していた。
 コーヒーを二つ頼み、それを瞳ちゃんのところに持っていく。
「ありがとう。悠真君」
「いや。今日だけだからな」
「エヘヘ、わかってるって」
「もうすぐ夏休みだね」
「うん。一緒にプールとか海と行きたいなぁ」
「そうだね。せっかくの夏休みだし」
「でもちゃんと宿題もしないとダメだよ。そうだ、悠真君一緒に勉強しようよ。それが終わったら海に行くの」
「まぁ、いいけど。瞳ちゃんに勉強教えてもらえれば俺も助かるし」
「私もそんなにできるわけじゃないけどね」
「でも俺より成績いいじゃん」
「大体同じだよ。じゃあ、夏休みに入ったら勉強しよ。私の家、狭いから悠真君の家に行ってみたいな」
「俺の家か......、いいけど、そんなに広くないよ」
「大丈夫。私、男の子の部屋に行くの初めて。だから、ちょっと楽しみ......、どんな部屋なんだろう??」
「あんまりハードル上げないでほしいな。とにかく普通だから」
 こうして、俺たちは一緒に勉強することになったのだ。

 終業式――。