駅前からバスが出ていて、そこからマリンピア日本海に行けるのだ。
 通常、新潟の住民たちは車移動がメインなんだよね。
 でも、俺たちみたいな高校生は、基本的にチャリかバスを使う。
 だから、今日もバスで向かうのだ。
 ただ、俺はその時、衝撃的なものを見てしまったんだ。
 それは、美沙の姿だった。
 だけど、彼女は一人じゃなかった。
 男と一緒だったのだ。
 そう、生徒会長である二階堂一馬さん。
 美沙は結構オシャレしているようで、ホットパンツにタイトなTシャツを着ていた。
 見た目は完全にギャル。 
 メイクもしてるし、髪の色も明るくなったような気がする。
 僧侶には見えないよね。
 俺はその姿を見て、何というか悲しくなった。
 美沙は、俺なんか忘れて、生徒会長と一緒になってる。
 まぁ、生徒会長はイケメンだし、美沙も可愛いからバランスはとれているんだろうけど......。
 だけど辛い。
 ただ辛い。
 俺が茫然と立っていると、美沙が俺の姿に気づいた。
 そして慌てたように顔を背けた。
 なんで?
 なんでそんな顔するの?
 それに、どうして俺を避けるの??
 次の瞬間、俺は動いていた。
「美沙!」
 その声に美沙も二階堂さんも気づく。
「君は?」
 と、言ったのは二階堂さんだ。
「美沙の友達です。あなたは?」
「僕は二階堂一馬。美沙ちゃんのお友達なの?」
 と二階堂さんは美沙に話を振った。
 すると美沙は、
「クラスメイトです。でもそれだけ」
「ふ~ん」
 堪らなくなった俺はつい聞いてしまう。
「二人はデートですか?」
「え? あぁ、そう見える? まぁ......」
 二階堂さんが言いかけると、それを美沙が遮った。
「そうよ。デートなの。二階堂さんはあんたとは違って頭もいいし、物知りなんだから。んで、あんたこそ何してるの?」
 高圧的に言われて、俺は頭に血が上った。
「俺もデートだよ、佐伯さんとマリンピア日本海に行くんだ。それじゃあな」
 俺がそう言うと、美沙が一瞬怯んだ。
「ふ、ふ~ん、よかったね、じゃあ、あたしたちも用事があるから、あんたはあんたで楽しみなさい。それじゃあね、行きましょ、二階堂さん」
「あ、あぁ、うん、まぁいいけど」
 そのまま二人は俺の前から消えていった。
 残された俺は、一人うなだれる......。
 一体、何をしてるんだろう。