「美沙が言っていたんだよ。一緒にウォークマンを買いに行ったってね」
「そうだったんですか」
「ちょうどいい、美沙に男の子の友達ができるなんてねぇ。そうだ、少しいいかな?」
「はい。なんですか?」
「私は君と少し話がしたい。いいだろう? 悠真君」
どういう流れかわからないが、このおじさんとしゃべるみたい。
なんか緊張するよ。
鐘の前には段差があって、おじさんはそこに腰を下ろした。
俺が座るとの見ると、おじさんは話し始めた。
「自己紹介がまだだったね。私は美沙の父親。一応このお寺の住職をしている。法名は宋憲って言うんだけどね」
やはり、美沙のお父さんらしい。
お坊さんというと、坊主頭がポイントだが、宋憲さんは、有髪だった。
つまり、普通に髪の毛があるのだ。
それでいて、作務衣を着ていると、お坊さんというよりも、陶芸家みたいに見える。
「美沙は学校でどんな感じかな?」
宋憲さんは尋ねてくる。
多分、年齢は四十歳過ぎだろう。結構若々しく見えるのだ。
「どうって、仏教が好きなんだなてって思います」
「仏教が?」
「はい。なんでも浄土真宗の教えを広めるって話ですけど」
「美沙、そんなこと言ってるのか? まったく困った子だな」
「でも、自分の夢に向かって頑張っている姿を見ると、応援したくなります。俺、夢とかないから」
すると、宋憲さんは遠い目をした。
「私はね、美沙にお坊さんになってもらいたくないんだよ」
「え?」
そう言えば、お父さんに反対されていると言っていたような気がする。
でも、どうして反対するんだろう?
子どもの夢を受け入れるのが、親の役目ではなかろうか?
「君にこんなことを言っても、仕方ないんだが、僧侶は大変なんだよ。休みも少ないし、何しろ、人の死と向き合う仕事だからね。他にいくらでも仕事はあるだろう」
「でも、美沙さんは僧侶に憧れています。親鸞聖人のこととかよく知ってるし」
「親鸞聖人は、日本の偉大な思想家だよ。それに、超が付くほど有名な僧侶だ。だけど、意外と間違って伝わっている部分も多くてね」
「悪人が救われるって話ですか?」
「お、そう。君よく知ってるね」
「美沙さんに教えてもらったんです。でも、そのままの意味じゃなくて、他力の信心が重要だって」
「美沙が......、そんなことを」
「そうだったんですか」
「ちょうどいい、美沙に男の子の友達ができるなんてねぇ。そうだ、少しいいかな?」
「はい。なんですか?」
「私は君と少し話がしたい。いいだろう? 悠真君」
どういう流れかわからないが、このおじさんとしゃべるみたい。
なんか緊張するよ。
鐘の前には段差があって、おじさんはそこに腰を下ろした。
俺が座るとの見ると、おじさんは話し始めた。
「自己紹介がまだだったね。私は美沙の父親。一応このお寺の住職をしている。法名は宋憲って言うんだけどね」
やはり、美沙のお父さんらしい。
お坊さんというと、坊主頭がポイントだが、宋憲さんは、有髪だった。
つまり、普通に髪の毛があるのだ。
それでいて、作務衣を着ていると、お坊さんというよりも、陶芸家みたいに見える。
「美沙は学校でどんな感じかな?」
宋憲さんは尋ねてくる。
多分、年齢は四十歳過ぎだろう。結構若々しく見えるのだ。
「どうって、仏教が好きなんだなてって思います」
「仏教が?」
「はい。なんでも浄土真宗の教えを広めるって話ですけど」
「美沙、そんなこと言ってるのか? まったく困った子だな」
「でも、自分の夢に向かって頑張っている姿を見ると、応援したくなります。俺、夢とかないから」
すると、宋憲さんは遠い目をした。
「私はね、美沙にお坊さんになってもらいたくないんだよ」
「え?」
そう言えば、お父さんに反対されていると言っていたような気がする。
でも、どうして反対するんだろう?
子どもの夢を受け入れるのが、親の役目ではなかろうか?
「君にこんなことを言っても、仕方ないんだが、僧侶は大変なんだよ。休みも少ないし、何しろ、人の死と向き合う仕事だからね。他にいくらでも仕事はあるだろう」
「でも、美沙さんは僧侶に憧れています。親鸞聖人のこととかよく知ってるし」
「親鸞聖人は、日本の偉大な思想家だよ。それに、超が付くほど有名な僧侶だ。だけど、意外と間違って伝わっている部分も多くてね」
「悪人が救われるって話ですか?」
「お、そう。君よく知ってるね」
「美沙さんに教えてもらったんです。でも、そのままの意味じゃなくて、他力の信心が重要だって」
「美沙が......、そんなことを」

