「でも親鸞聖人は、妻帯者だったんだろ? なら恋くらいしてもいい気がするけど、それに、美沙くらいの女の子って恋バナとか好きそうだし。まぁ美沙は違うかもしれないけど」
「あんたねぇ、あたしを何だと思ってるのよ?」
「猛烈な修行僧」
「そりゃ禅僧とかなれば、修行が大変かもしれないけど、あたしが目指す浄土真宗はそんなに修業が大変じゃないのよ。親鸞聖人は修業を否定しているの。例えば荒行ってあるわよね?」
「うん」
「荒行のような過酷な修行を『善』とするのなら、荒行ができる人は、できない人よりも素晴らしいことになる。でもね、その思いこそ、人間の傲慢なのよ。だからね、浄土真宗は修業に頼らなくても、誰も救われる道であると説いているのよ」
「そうなのか、親鸞聖人ってホントすごい人なんだな。知れば知るほど、すご味がわかるよ」
「でしょ。それだけ親鸞聖人はすごいの。だからあたしは決して猛烈な修行僧ってわけじゃない。お肉やお魚だって食べるし......、そ、その恋愛マンガだって読んだりするんだから」
「へぇ、そうなんだ。それは意外だよ。オススメの作品は?」
「なみだうさぎ......かな」
知らんタイトルが出た。
まぁ、美沙も人並みに恋愛をしてみたいと思うんだろう。
それが普通だよ。全くね。
「まぁ好きな人がいるのはいいことだ思うよ。恋愛経験が多い人の方が、人として深みがあるような気もするしね。確か、第一歩が重要なんだよな? ほら、恋愛相談でそう答えてたよ。なら美沙も第一歩を踏み出さないと」
「そうかもしれないけど。あたしが気になってる人は、あたしに興味ないみたいだし」
「ふ~ん、大変だな。アピールしたらどうだ?」
「アピールってどうやって?」
「色仕掛けとか」
「バカ! ホントに、あんたに相談したあたしがバカだった」
「冗談だよ」
結局それで話は終わった。
だけど次の日、美沙は学校を休んだんだよね。
高校に入学してから二ヶ月。
それは初夏を迎えた六月のことだった。
美沙は突如学校を休んだ。
それも三日間続いている。
流石に、俺は気になって、彼女の様子を見に行くことにした。
以前の会話で、美沙が「祐善寺」というお寺の娘さんだとは察している。
スマホで祐善寺の場所を調べる。
高校からそれほど遠くない。
あぁ、だから徒歩で通学してるのか......。
「あんたねぇ、あたしを何だと思ってるのよ?」
「猛烈な修行僧」
「そりゃ禅僧とかなれば、修行が大変かもしれないけど、あたしが目指す浄土真宗はそんなに修業が大変じゃないのよ。親鸞聖人は修業を否定しているの。例えば荒行ってあるわよね?」
「うん」
「荒行のような過酷な修行を『善』とするのなら、荒行ができる人は、できない人よりも素晴らしいことになる。でもね、その思いこそ、人間の傲慢なのよ。だからね、浄土真宗は修業に頼らなくても、誰も救われる道であると説いているのよ」
「そうなのか、親鸞聖人ってホントすごい人なんだな。知れば知るほど、すご味がわかるよ」
「でしょ。それだけ親鸞聖人はすごいの。だからあたしは決して猛烈な修行僧ってわけじゃない。お肉やお魚だって食べるし......、そ、その恋愛マンガだって読んだりするんだから」
「へぇ、そうなんだ。それは意外だよ。オススメの作品は?」
「なみだうさぎ......かな」
知らんタイトルが出た。
まぁ、美沙も人並みに恋愛をしてみたいと思うんだろう。
それが普通だよ。全くね。
「まぁ好きな人がいるのはいいことだ思うよ。恋愛経験が多い人の方が、人として深みがあるような気もするしね。確か、第一歩が重要なんだよな? ほら、恋愛相談でそう答えてたよ。なら美沙も第一歩を踏み出さないと」
「そうかもしれないけど。あたしが気になってる人は、あたしに興味ないみたいだし」
「ふ~ん、大変だな。アピールしたらどうだ?」
「アピールってどうやって?」
「色仕掛けとか」
「バカ! ホントに、あんたに相談したあたしがバカだった」
「冗談だよ」
結局それで話は終わった。
だけど次の日、美沙は学校を休んだんだよね。
高校に入学してから二ヶ月。
それは初夏を迎えた六月のことだった。
美沙は突如学校を休んだ。
それも三日間続いている。
流石に、俺は気になって、彼女の様子を見に行くことにした。
以前の会話で、美沙が「祐善寺」というお寺の娘さんだとは察している。
スマホで祐善寺の場所を調べる。
高校からそれほど遠くない。
あぁ、だから徒歩で通学してるのか......。

