「相談ですか?」
「うん、この間、校内新聞に親鸞聖人の言葉を載せたでしょ?」
「はい」
「その件で反響があったの」
「反響って具体的には?」
「うん、この記事を書いた人に相談したいことがあるって人が現れたのよ。それで、知立さんはどうかなって思って」
「とりあえず本人に聞いてみますよ。放課後にまた来ます、それでいいですか?」
「うん、それでいいよ。知立さん、スマホとか持っていないみたいだから、彼氏君に聞いてみようともって」
「へ? 彼氏?」
「そう、あれ、君たち付き合ってるんじゃないの?」
「付き合ってません」
 大いなる誤解だ。
 俺の彼女が美沙?
 冗談だろ......。
 まぁ、こんな一件があって、俺は事情を美沙に説明した。
 美沙はどう反応するんだろう? 
 浄土真宗の教えを広めるわけだから、これはチャンスなんだろうな。
「なるほど......」
 と、俺の話を聞いた美沙は告げる。
 そして、何やら考えているようだった。
「相談、受けたらどうだ? だって、浄土真宗の教えを広めるわけだから、これはチャンスだと思うけど」
「そうよね、でも、人の相談なんて......」
「お坊さんって、人の相談に乗る機会があるんじゃないかな? 将来お坊さんになるなら、これは避けて通れない道だよ」
「そうね、悠真の言う通りだわ。よし、やりましょう。人生相談ってやつね」
「そうなるかな」
 美沙は、その意見を聞き入れて人生相談をすると決めたようだ。
 少しずつだけど、前に進んでいるのは確かだよね。

 放課後――。
 鈴奈さんのところに行くと、彼女はA4のコピー用紙を持っていて、それを美沙に渡した。
 どうやら、そこに悩みが書いてあるらしい。
 美沙はまじまじと眺め、
「恋愛相談ですね?」
「そう。これに答えてくれるとありがたいんだけど。もちろん、今回の件はプライベートなことだから記事にはしない。だけどこれが上手くいったら、ゆくゆくは知立さんの人生相談のコーナーを持ちたいからなって思って」
「やります。やらせてください」
 美沙は意気揚々とそう言った。
 どうやら、やる気はあるらしい。
 こうして、美沙は恋愛相談をすることになったらしい。
 話を終えた俺と美沙は、屋上に向かった。
 屋上に着くなり、美沙は何やら考え始めた。
「ねぇ、恋愛相談ってどんな内容だったの?」