「あたしたちが、はかることができない命の働きと、その命からのあたしの心の闇を照らす光の働きに出会ったならば、あたしたちの人生がどのようなものであったとしても、それは決して虚しいものにはならないって言ってるの。そしてね、そこには、常に、はかることができない命と光の働きが豊かな海のように満ち、あたしたちの自分中心の濁った心がわき上がったとしても、それが自分と他者を冷たく分けへだてるものにはならないのですって意味」
「何かよくわかんないな。難しいよ」
「親鸞聖人は海をとっても大切にしていた人なの。親鸞聖人が出会った海っていうのはね、命を育む恵がある一方で、時に荒れ狂い、すべてを飲み込んでしまうの。だから、その中に人間が生きる尊さを感じ取ったのよね。それだけありがたい言葉なのよ」
「ふ~ん。そう言うもんかな。でもまぁ海って広大だよね。俺の祖父さん、小針っていうところに住んでいてさ、近くに小針浜っていう海があったから、小さい時はよく行ったよ」
「それだけ海は豊かであり、あたしたちを包み込んでくれるわ。いい? あたしたちが普段の生活の中で感じる豊かさってあるでしょ?」
「まぁあるかもね」
「うん、それは、自分にとって都合がよく快適な状況のもとでのものになっている。でもね、実際は違うわ」
「どう違うのさ?」
「この世は自分の都合がいいことばかりではないわ。つまり、命のつながりっていうのは、人間の都合の物差しを遥かに超えた、あたしたちにはかることができないものなのよ。それをこの歌は示している」
壮大な話だ。
多分、この話を偉いお坊さんがすれば、ありがたく感じるかもしれない。
でも、美沙が言うと、どこか中二臭く感じてしまう。せっかく一生懸命なのに、これは大きなマイナスだと思えた。
こうして、一日が始まる。
だけど、ある問題が立ち上がっていた。
それは、鈴奈さんからのある提案が関係してるんだけど。
昼休み――。
俺のスマホに鈴奈さんから連絡が入った。
何でも新聞部に来てほしいとのことだった。
俺は早めに食事を終えると、新聞部の部室へ向かったんだ。
すると、そこで菓子パンを食べている鈴奈さんが俺を待っていたんだよね。
「あの、何か用ですか?」
と、俺は告げる。
すると、鈴奈さんは、
「うん、ゴメンね、急に呼び出して。実はね、ちょっと相談があって」
「何かよくわかんないな。難しいよ」
「親鸞聖人は海をとっても大切にしていた人なの。親鸞聖人が出会った海っていうのはね、命を育む恵がある一方で、時に荒れ狂い、すべてを飲み込んでしまうの。だから、その中に人間が生きる尊さを感じ取ったのよね。それだけありがたい言葉なのよ」
「ふ~ん。そう言うもんかな。でもまぁ海って広大だよね。俺の祖父さん、小針っていうところに住んでいてさ、近くに小針浜っていう海があったから、小さい時はよく行ったよ」
「それだけ海は豊かであり、あたしたちを包み込んでくれるわ。いい? あたしたちが普段の生活の中で感じる豊かさってあるでしょ?」
「まぁあるかもね」
「うん、それは、自分にとって都合がよく快適な状況のもとでのものになっている。でもね、実際は違うわ」
「どう違うのさ?」
「この世は自分の都合がいいことばかりではないわ。つまり、命のつながりっていうのは、人間の都合の物差しを遥かに超えた、あたしたちにはかることができないものなのよ。それをこの歌は示している」
壮大な話だ。
多分、この話を偉いお坊さんがすれば、ありがたく感じるかもしれない。
でも、美沙が言うと、どこか中二臭く感じてしまう。せっかく一生懸命なのに、これは大きなマイナスだと思えた。
こうして、一日が始まる。
だけど、ある問題が立ち上がっていた。
それは、鈴奈さんからのある提案が関係してるんだけど。
昼休み――。
俺のスマホに鈴奈さんから連絡が入った。
何でも新聞部に来てほしいとのことだった。
俺は早めに食事を終えると、新聞部の部室へ向かったんだ。
すると、そこで菓子パンを食べている鈴奈さんが俺を待っていたんだよね。
「あの、何か用ですか?」
と、俺は告げる。
すると、鈴奈さんは、
「うん、ゴメンね、急に呼び出して。実はね、ちょっと相談があって」

