まぁ、どうでもいいのだけれど。
 だけど、この子は結構スカートを短くしている。
「あの、大丈夫?」
 すると、女の子は俺に目線を合わせず、すっくと立ち上げると、
「痛ったぁ、どこ見てんのよ、このバカ! あ、あたし急いでるの、じゃあね」
 と、言い残し、そして消えていった。
 一体何なんだ、あの子......。
 どこかで見たような気がする。
 うん。確か同じクラスだ。
 名前は忘れたけどね。
 俺はそのまま教室へ向かおうとする。
 しかし、床に何か落ちているのがわかった。
 それは、前時代的なカセットテープを使ったウォークマンだった。
 あの子が落としたんだ。
 ギャルの癖にカセットテープ?
 何かチグハグだ。
 俺はそれを拾い上げ、彼女を追うとする。
 しかし、その子はとっくに消えていて、どこに行ったのかわからなかった。
 まぁいいか。
 同じクラスなんだし。後で渡せばいいよね。
 だけど......。
 なんとなく、興味がある。
 あの子、どんな音楽を聴いているんだろう?
 今だと――
 米津玄師とか、星野源とかかな。
 とにかくね。俺は、あの子の音楽が猛烈に気になった。
 もしかすると、いい話のネタになるかもしれないしね。
 ガチャガチャ。
 カセットテープってどうやって使うんだ。
 というよりも、今も売ってるのか?
 カセットテープのウォークマンは大きい。今風の音楽プレーヤーに比べるとかなり大きいのだ。
 今の時代、スマホでも手軽に聴けるのに。
 俺はスピッツが好きだから、この子も聞いているといいな。
 そんな淡い期待を抱きながら、俺はようやくスイッチボタンを見つけ、イヤホンをつけて、音楽を聴いてみる。
 すると、圧倒的な衝撃が俺を襲ったんだよね。
 衝撃。
 それはかなり凄いよ。
 正直、何が起きているからわからなかった。
 俺が聴いた音楽。
 それは音楽というよりも......、

「お経」

 だったんだよね。
 なぜ、ギャル風の女子高生がお経を聴いているのか?
 それが理解できなかった。
 俺は、お経は全く知らない。
 だけど、結構種類があるんだろう。
 どこかで聞いたようなお経だけど、よくわからない。
 一体、何なんだろう?
 あの子は......。

 昼休み――。
 俺たちの高校は、学食がある。