こうして、俺たちの付き合いが始まった。
なんだろう?
運命なんだろうか?
翌週の月曜日――。
俺が登校すると、美沙が既に席に座って、イヤホンで何か聴いているようだった。
多分お経を聴いているんだろう。
邪魔しちゃ悪いから、俺は何も言わず席に座った。
すると、それを見ていた美沙が俺のところにやって来た。
「ちょっと悠真、あいさつは?」
「ふぇ」
「朝会ったら、おはようでしょ」
「あ、ゴメン、おはよう」
「あいさつは基本よ」
「ただ、お経聴いているようだったから」
「まぁ、そうだけど」
「ねぇ、どうしてお経聴いてるの?」
「正確には正信念仏偈ね」
「そう、それ。一体何なの?」
「正信念仏偈っているのは、毎朝のお勤めに使われる、お経なのよ。だけどね、あたし、お経が苦手で」
「へぇ、そうなんだ。前はすらすら言っていたように思えたけど」
「あたしなんてまだまだよ。だけど、これを難しいって言っているようだと、お坊さんに笑われちゃうわ。だから、あたしは毎日聴いてるの」
「ねぇ、どうして、カセットテープなの?」
俺がそう問いかけると、美沙はムッとした顔になった。
「今、バカにしたでしょ?」
「してないよ」
「ウソ! どうせカセットテープなんて前時代的なもの使ってるってバカにしたんだ」
「だからしてないよ。ただ気になって」
「あたしの家、デジタル機器があまりないの。そのなんていうの、でじたるおんがくぷれーやーとかはしらないの。家にあるのは昔のラジカセだから、それでパパのお経の声を録音したのよ。だけど、カセットテープもバカにできないの。正信念仏偈っていうのはね、基本的には単調なくり返しなんだけど、いろんなところで音程が変わったり、調子が変わったりして大変なの。だからパパがお経を唱えているところを、四句ごとに区切って録音したのよ。後はカセットを早回ししたりすれば、簡単に頭出しできるから、意外と便利なの」
曲の頭出しするなら、デジタルの方が絶対便利だが、俺は言わなかった。
カセットテープで満足しているのなら、それでいいんだろう。
「お経を上手く唱えたいから練習してるってわけか」
なんだろう?
運命なんだろうか?
翌週の月曜日――。
俺が登校すると、美沙が既に席に座って、イヤホンで何か聴いているようだった。
多分お経を聴いているんだろう。
邪魔しちゃ悪いから、俺は何も言わず席に座った。
すると、それを見ていた美沙が俺のところにやって来た。
「ちょっと悠真、あいさつは?」
「ふぇ」
「朝会ったら、おはようでしょ」
「あ、ゴメン、おはよう」
「あいさつは基本よ」
「ただ、お経聴いているようだったから」
「まぁ、そうだけど」
「ねぇ、どうしてお経聴いてるの?」
「正確には正信念仏偈ね」
「そう、それ。一体何なの?」
「正信念仏偈っているのは、毎朝のお勤めに使われる、お経なのよ。だけどね、あたし、お経が苦手で」
「へぇ、そうなんだ。前はすらすら言っていたように思えたけど」
「あたしなんてまだまだよ。だけど、これを難しいって言っているようだと、お坊さんに笑われちゃうわ。だから、あたしは毎日聴いてるの」
「ねぇ、どうして、カセットテープなの?」
俺がそう問いかけると、美沙はムッとした顔になった。
「今、バカにしたでしょ?」
「してないよ」
「ウソ! どうせカセットテープなんて前時代的なもの使ってるってバカにしたんだ」
「だからしてないよ。ただ気になって」
「あたしの家、デジタル機器があまりないの。そのなんていうの、でじたるおんがくぷれーやーとかはしらないの。家にあるのは昔のラジカセだから、それでパパのお経の声を録音したのよ。だけど、カセットテープもバカにできないの。正信念仏偈っていうのはね、基本的には単調なくり返しなんだけど、いろんなところで音程が変わったり、調子が変わったりして大変なの。だからパパがお経を唱えているところを、四句ごとに区切って録音したのよ。後はカセットを早回ししたりすれば、簡単に頭出しできるから、意外と便利なの」
曲の頭出しするなら、デジタルの方が絶対便利だが、俺は言わなかった。
カセットテープで満足しているのなら、それでいいんだろう。
「お経を上手く唱えたいから練習してるってわけか」

