そこに、この間俺が聞いた親鸞聖人の教えが載っていた。
もちろん、扱いは小さい。
それでも、これは大いなる一歩だ。
知立さんは、浄土真宗の教えを広めようとしている。
しかも、この学校で......。
けどさ、教えを広めるのって結構難しいよね。
特に、仏教なんて興味がないと、誰も真剣に話を聞かないし。
彼女には夢がある。
そう。僧侶になるという。
夢か。
何か羨ましい。
だって、俺には夢がないから。
その昔、俺はサッカー選手になりたいという夢があった。
あれは、幼稚園の頃。
それで小学生になってサッカースクールに通ったんだけど、全然ダメで、イヤになって止めてしまった。
俺はもう、高校生。
小学生が夢みるような。
・宇宙飛行士
・スポーツ選手
・芸能人
なんかの夢は諦めている。
でもね、現実的な夢があるというとそうでもないんだ。
今の俺には夢がない。
ただ、漠然と大学に進学して、就職活動して、その結果採用された会社で働くようになるのでは? と、そんな気がするよ。
だからね、俺は夢がある知立さんが少し羨ましかったんだよね。
夢を追うのは若者の特権だ。
今しか追えない夢もあるだろう。
例えば、スポーツ選手になるのなら、若くないとダメだ。
つまり、夢には期限がある。
なのに......。
俺は一体何をしているんだろうか?
放課後――。
「榊原、ちょっと来て」
と、俺は知立さんに呼ばれる。
呼ばれなくても、いつも俺たちは屋上に行く。
そこで、俺は知立さんの説法のような話を聞くのだ。
退屈か?
実はそうでもない。
仏教は、苦しみとは何かを説いている。
人生は苦しいのだ。
だから、人は苦労する。
俺もそうだ。
それ故に、苦しさを跳ね飛ばし、仏教の教えを伝えようとしている知立さんに、惹かれつつあったんだよね。
俺たちは屋上に行った。
すると、知立さんは校内新聞を大事そうに持ちながら、
「あんたは助手だから、このくらいして当然なんだけど、言っとくわ。そ、その、ありがと」
「え?」
ありがと。
その言葉は意外だった。
お礼なんて言われると思わなかったのだ。
だって、見た目はギャルだし。
「だから、協力してくれてありがと、感謝してるから」
「あ、いや、俺も協力できてよかったよ」
もちろん、扱いは小さい。
それでも、これは大いなる一歩だ。
知立さんは、浄土真宗の教えを広めようとしている。
しかも、この学校で......。
けどさ、教えを広めるのって結構難しいよね。
特に、仏教なんて興味がないと、誰も真剣に話を聞かないし。
彼女には夢がある。
そう。僧侶になるという。
夢か。
何か羨ましい。
だって、俺には夢がないから。
その昔、俺はサッカー選手になりたいという夢があった。
あれは、幼稚園の頃。
それで小学生になってサッカースクールに通ったんだけど、全然ダメで、イヤになって止めてしまった。
俺はもう、高校生。
小学生が夢みるような。
・宇宙飛行士
・スポーツ選手
・芸能人
なんかの夢は諦めている。
でもね、現実的な夢があるというとそうでもないんだ。
今の俺には夢がない。
ただ、漠然と大学に進学して、就職活動して、その結果採用された会社で働くようになるのでは? と、そんな気がするよ。
だからね、俺は夢がある知立さんが少し羨ましかったんだよね。
夢を追うのは若者の特権だ。
今しか追えない夢もあるだろう。
例えば、スポーツ選手になるのなら、若くないとダメだ。
つまり、夢には期限がある。
なのに......。
俺は一体何をしているんだろうか?
放課後――。
「榊原、ちょっと来て」
と、俺は知立さんに呼ばれる。
呼ばれなくても、いつも俺たちは屋上に行く。
そこで、俺は知立さんの説法のような話を聞くのだ。
退屈か?
実はそうでもない。
仏教は、苦しみとは何かを説いている。
人生は苦しいのだ。
だから、人は苦労する。
俺もそうだ。
それ故に、苦しさを跳ね飛ばし、仏教の教えを伝えようとしている知立さんに、惹かれつつあったんだよね。
俺たちは屋上に行った。
すると、知立さんは校内新聞を大事そうに持ちながら、
「あんたは助手だから、このくらいして当然なんだけど、言っとくわ。そ、その、ありがと」
「え?」
ありがと。
その言葉は意外だった。
お礼なんて言われると思わなかったのだ。
だって、見た目はギャルだし。
「だから、協力してくれてありがと、感謝してるから」
「あ、いや、俺も協力できてよかったよ」

