「すごいよ、えっと、知立さんだっけ。僕はそういうのを待っていたんだ。即採用! これから毎週載せるからね。校内新聞は金曜日発行だから、今度から月曜日に締め切りにしようか? 毎週月曜日、ここにその、仏教の教えを書いて持ってきてね。できれば、データの方がいいけど、面倒だった手書きでもいいよ」
「は、はい! お願いします!!」
 知立さんは感動しているようだった。
 とりあえず、俺もホッとする。
 役目は果たせたようだ。
 俺たちは、毎週月曜日に一本教えを載せる形で承諾を得た。
 浄土真宗の教えを広めるための第一歩はこれで成功だろう。

 屋上――。
「よかったじゃん。知立さん」
「うん。そうね」
「じゃあ、俺の役目は終わりだね。まぁ頑張ってよ、毎週月曜日に原稿を届ければいいだけだから」
「ちょっと待って。あんた、何言ってんの?」
「何って、俺の役目は終わりでしょ?」
「バカ! 新聞部の部長さんは原稿をデータで持ってきてほしいって言っていたわ。それてどういうこと?」
「えっと、そのままの意味だよ。手書きで書くんじゃなくて、スマホとかパソコン使って、データで保存すればいいんだよ」
 すると、知立さんは困った顔を浮かべた。何か焦っているようにも感じる」
「あたし、パソコンもってないわ」
「じゃあ、スマホで書いてラインとかメールで送れば」
「す、スマホも持っていないもん」
「え?」
 これは意外だった。
 今の時代、小学生でもスマホを持っている。
 それに、このギャル系の容姿をしている知立さんが、スマホを持っていないというのは驚きだよね。
「パパが許してくれないの」
「スマホないの?」
「ない。あ、今バカにしたでしょ?」
 すると、知立さんはキッと俺を睨みつける。
「イヤ、バカにはしないよ。スマホ持っていない高校生がいても不思議じゃないよ」
「ふん! あたしはアナログなの。あんた、助手なんだから、その、データにしてよ」
「まぁいいけどさ。それが学校のパソコン使えば。そこから新聞部のアドレスに送信すればいいと思うけど」
「むぅ。そ、そういうのよくわかんないの。だからあんたやりなさい。あたしがありがたい言葉を聞かせるから、それをデータにするのはあんたの仕事よ」
「えぇぇぇえええ。面倒だなぁ、なんでそんなことしなくちゃならないんだよ」
「もしも、断ったらどうなるかわかるわよね?」