俺が知っているのは、今日聞いた言葉だけだ。
覚えていたから、俺はそれを話す。
すると、部長さんの目が変わっていく。
「うん、面白いかも。いいよ。そのコラム載せてあげるよ。評判がよかったら連載にしてもいいね。僕ね、この校内新聞に、朝日新聞の天声人語みたいなコーナーがあればいいのになって思ってたんだ」
この部長さんは、ボク少女らしい。
可愛いルックスをしているから、この点のギャップが堪らない。
「じゃあ、とりあえず、また明日伺います。実は、詳しい人がいるんです」
「ふむ、そうなの。なら、その人を連れてきて話をしようか。それで、話がまとまったら今週号に試しに掲載するから。それでいいかな?」
「ありがとうございます。助かります。それじゃまた明日」
「あ、待って、えっと榊原君。僕、小森谷鈴奈。三年A組、一応連絡先教えてくれる」
「わかりました」
俺たちはラインの連絡先を教え合い、それで別れた。
出だしは順調!
後は進むだけだ。
まぁ、気分はあまりのならないけどね......。
自宅――。
俺の家は四人家族だ。
・父
・母
・妹
以上。
父親は鉄道会社で働いて、母親は近所のスーパーでパートをしている。
んで、
妹は中学三年生。
つまり、俺とは年子なんだよね。
まぁ、家族紹介はそのくらいにして。
俺が帰宅すると、すでに母親が夕食の準備をしていた。
「ただいま」
「おかえりなさい。遅かったのね」
「あ、うん。ちょっと色々あって」
新聞部に行ったから、その分帰りが遅くなってしまったのである。
「ねぇ、母さん、一ついい?」
「何?」
「あのさ、家の宗派ってなに?」
「は?」
母はキョトンとしている。
そして、調理する手を止めて、俺を見つめる。
「宗派って仏教の?」
「そう、家の宗派って何?」
「ええと、確か浄土真宗じゃなかったかしら。でも悠真、どうしてそんなこと聞くの?」
「いや、ただ気になって。そうか、浄土真宗なのか」
「そうよ」
「確か親鸞聖人が宗祖なんでしょ?」
「う~ん、お母さん、仏教は全然知らないわ。そうなの?」
「確か、そうだったはず」
「えっと、歎異抄(たんにしょう)っていったかしら、親鸞聖人の教えが書いてある本って?」
「え? 何それ?」
俺、困惑。
たんにしょう?
初めて聞く本の名前だ。
覚えていたから、俺はそれを話す。
すると、部長さんの目が変わっていく。
「うん、面白いかも。いいよ。そのコラム載せてあげるよ。評判がよかったら連載にしてもいいね。僕ね、この校内新聞に、朝日新聞の天声人語みたいなコーナーがあればいいのになって思ってたんだ」
この部長さんは、ボク少女らしい。
可愛いルックスをしているから、この点のギャップが堪らない。
「じゃあ、とりあえず、また明日伺います。実は、詳しい人がいるんです」
「ふむ、そうなの。なら、その人を連れてきて話をしようか。それで、話がまとまったら今週号に試しに掲載するから。それでいいかな?」
「ありがとうございます。助かります。それじゃまた明日」
「あ、待って、えっと榊原君。僕、小森谷鈴奈。三年A組、一応連絡先教えてくれる」
「わかりました」
俺たちはラインの連絡先を教え合い、それで別れた。
出だしは順調!
後は進むだけだ。
まぁ、気分はあまりのならないけどね......。
自宅――。
俺の家は四人家族だ。
・父
・母
・妹
以上。
父親は鉄道会社で働いて、母親は近所のスーパーでパートをしている。
んで、
妹は中学三年生。
つまり、俺とは年子なんだよね。
まぁ、家族紹介はそのくらいにして。
俺が帰宅すると、すでに母親が夕食の準備をしていた。
「ただいま」
「おかえりなさい。遅かったのね」
「あ、うん。ちょっと色々あって」
新聞部に行ったから、その分帰りが遅くなってしまったのである。
「ねぇ、母さん、一ついい?」
「何?」
「あのさ、家の宗派ってなに?」
「は?」
母はキョトンとしている。
そして、調理する手を止めて、俺を見つめる。
「宗派って仏教の?」
「そう、家の宗派って何?」
「ええと、確か浄土真宗じゃなかったかしら。でも悠真、どうしてそんなこと聞くの?」
「いや、ただ気になって。そうか、浄土真宗なのか」
「そうよ」
「確か親鸞聖人が宗祖なんでしょ?」
「う~ん、お母さん、仏教は全然知らないわ。そうなの?」
「確か、そうだったはず」
「えっと、歎異抄(たんにしょう)っていったかしら、親鸞聖人の教えが書いてある本って?」
「え? 何それ?」
俺、困惑。
たんにしょう?
初めて聞く本の名前だ。

