「ちょっと体調を崩したみたいでね。今は療養中なのよ」
「どこの病院ですか?」
「瑞希に会いに行くの?」
「はい。そのために俺は彼女を探してきたんです」
「瑞希ね、健一君と別れたって言った時、物凄く辛そうだったの。あなたたち、凄く仲がよかったのに、どうして別れてしまったの?」
「そ、それは色々ありまして。俺もまだ若かったから、瑞希を説得できなかったんです」
多分だが、瑞希は両親に超能力の話をしていないだろう。
仮に、両親が超能力を知っているのだとした、こんな風にはいられないような気がする。恐らく、瑞希の母親は知らない……。
「瑞希に会いに行ってあげて。実はね、あの子のお見舞いするのって、私たち以外に誰もいないの」
「そうなんですか? あの、瑞希は大学を辞めてから、何をしていたんですか?」
「瑞希がね、大学を辞めてからしばらくして、丁度お祖父さんが調子悪くなっちゃって、介護が必要になったの。それでね、こっちに引っ越してきたのよ。何も聞いてないの?」
「はい。瑞希は、何も話さず、俺の元を去ったんです。俺もショックだった。だからこそ、その理由が知りたい。そして、やり直せるのなら、もう一度彼女と交際したいんです。俺は本気です。だから、瑞希の入院している病院を教えてください」
「わかったわ。ちょっと待っててね。今メモに住所を書いてあげるから」
瑞希は浦佐駅からほど近い総合病院、新潟大学地域医療センター魚沼基幹病院に入院していた。どうやら、彼女のその精神科に罹っているらしく、入院しているようあった。
ただ、この病院には、閉鎖病棟などはない。だから、一般的な精神病院とは少し違うんだ。だから、俺みたいな他人でも、問題なく面会ができるわけ。ただ、受付で身分を確認されて、その後瑞希の病室に行くという手順だった。
瑞希は入院病棟の個室に入院していたよ。
看護師の人に場所を教えてもらって、俺は瑞希の部屋のトビラをノックする。
すると、中からくぐもった声が聞こえてきたんだ。
「どうぞ……」
それは、聞き間違うことがない、確実に瑞希の声だった。俺と付き合っていた時と、寸分変わっていないように感じたよ。あぁ、懐かしい、愛しの瑞希が、今ここにいるんだ。
俺たちは、再び邂逅する。天に導かれるように……。
「瑞希。桐生、桐生健一だ」
「どこの病院ですか?」
「瑞希に会いに行くの?」
「はい。そのために俺は彼女を探してきたんです」
「瑞希ね、健一君と別れたって言った時、物凄く辛そうだったの。あなたたち、凄く仲がよかったのに、どうして別れてしまったの?」
「そ、それは色々ありまして。俺もまだ若かったから、瑞希を説得できなかったんです」
多分だが、瑞希は両親に超能力の話をしていないだろう。
仮に、両親が超能力を知っているのだとした、こんな風にはいられないような気がする。恐らく、瑞希の母親は知らない……。
「瑞希に会いに行ってあげて。実はね、あの子のお見舞いするのって、私たち以外に誰もいないの」
「そうなんですか? あの、瑞希は大学を辞めてから、何をしていたんですか?」
「瑞希がね、大学を辞めてからしばらくして、丁度お祖父さんが調子悪くなっちゃって、介護が必要になったの。それでね、こっちに引っ越してきたのよ。何も聞いてないの?」
「はい。瑞希は、何も話さず、俺の元を去ったんです。俺もショックだった。だからこそ、その理由が知りたい。そして、やり直せるのなら、もう一度彼女と交際したいんです。俺は本気です。だから、瑞希の入院している病院を教えてください」
「わかったわ。ちょっと待っててね。今メモに住所を書いてあげるから」
瑞希は浦佐駅からほど近い総合病院、新潟大学地域医療センター魚沼基幹病院に入院していた。どうやら、彼女のその精神科に罹っているらしく、入院しているようあった。
ただ、この病院には、閉鎖病棟などはない。だから、一般的な精神病院とは少し違うんだ。だから、俺みたいな他人でも、問題なく面会ができるわけ。ただ、受付で身分を確認されて、その後瑞希の病室に行くという手順だった。
瑞希は入院病棟の個室に入院していたよ。
看護師の人に場所を教えてもらって、俺は瑞希の部屋のトビラをノックする。
すると、中からくぐもった声が聞こえてきたんだ。
「どうぞ……」
それは、聞き間違うことがない、確実に瑞希の声だった。俺と付き合っていた時と、寸分変わっていないように感じたよ。あぁ、懐かしい、愛しの瑞希が、今ここにいるんだ。
俺たちは、再び邂逅する。天に導かれるように……。
「瑞希。桐生、桐生健一だ」

