About a girl

 全く情報がなかったから、普通の大学生である俺には調べようがなかった。だけどさ、仕方ないよね? だって俺は探偵や刑事ではない。
 んんん。待てよ、探偵か刑事になれば、この事件を追えるのか? だけど、そんなこと……、俺にできるんだろうか?
 俺は瑞希が好きだ。
 だから瑞希が関わったとされる、事件の真相を暴きたいよ。 
 そうしないと、先に進めないような気がするんだ。だけどさ、瑞希の力を認めてしまったら、俺はどうなってしまうんだろう。そもそもさ、超能力で人を殺すと、罪に問われるんだろうか?
 今のところ超能力で人を殺したっていう人間はいないと思う。戦前に、超能力をもっていたという記述があったけれど、かなり昔の話だから、今の俺には関係ないよね。
 だけどさ、もし仮に超能力があるのだとすると、それを認められれば、罪に問えるのではないか? そんな風な気がしたよ。
 それでも、俺は瑞希を救いたいのであった、罪を償わせたいわけじゃない。仮に能力が認められたら、瑞希は刑務所行だ。何しろ人を二人殺したのである。もしかすると死刑になってしまうかもしれない。
 そんなの、絶対に嫌だよ。
 瑞希が死んでしまったら、俺は耐えられない。
 今は、瑞希が俺のもとを去ってしまったけれど、まだ生きているから、何とかやっていけるんだ。彼女がいなくなった世界は、本当に辛いよ。ただ一つ、彼女が生きていることが希望なのだ。そうじゃないと、全くやっていけないよ。
 そんな中、俺はある人物に出会う。
 それは、優奈を轢き殺した張本人、榊原という人間だった。
 俺はね、新聞やネットの情報を駆使して、何とか榊原の入院している病院を突き止めた。そこは、調布にある長谷川病院という精神病院で、そこに入院しているらしいのだ。
 ただ、ネット上の掲示板の情報だから、どこまで正しいのかはわからない。だけど、行ってみる価値はある。
 俺は、調布に向かい、榊原に会おうと思ったんだ。
 だけど、この挑戦は一筋縄ではいかなかったよ。面会はできない。それでも全くチャンスがないわけではなかった。
 俺が調べたところによると、精神病院の閉鎖病棟の入院は、三カ月が一つの区切りになっている。つまり、三カ月で退院できるようなプログラムが組まれているのだろう。