「まぁ、元気でやれよ。桐生……。また、サークルに戻りたくなったら、いつでも言ってくれ。待ってるからさ」
「ありがとう。考えとくよ」
こうして、俺はサークルの人間と別れた。
ただ、足取りは重たい。
何しろ、優奈が死んだのだ。例え、俺たちにとって悪鬼だったとしても、死んでしまうと、心に罅が入ってしまうよね。本当に嫌な感じだ。
知っている人間が死ぬというのは、少なからず俺に影響を与える。本当に辛いよ……。
この事実を、瑞希に話すべきだろうか?
ちゃんと話しておいた方がいいだろう。例え短い間だったとしても、二人は友人関係だった。偽りの関係だったかもかもしれないけれど、束の間の友人ごっこはできたはずだ。
きっと、この話をすれば、瑞希は悲しむかもしれない。でもさ、隠してはおけないよね。もちろんさ、線香を上げに行ったりはしないけどね。
そもそもさ、あいつは俺たちに酷いことをしたんだ。俺がもしももっと乱暴な人間だったら、あいつを刺していたかもしれないんだ。つまり、あいつはいつ死んでもおかしくなかったんだよね。こう言うと、語弊があるかもしれないけれど。今回の一件は、天誅ってい気がするよ。
やっぱりね、神様は見ていて、俺たちを救ってくれた。そう考えると、幾分か心がスッキリとするような気がするよ。まぁ、本当に死んでしまうと、やっぱり辛いけどね。
俺は大学を終えて、その足で瑞希の自宅に向かった。既に瑞希は帰宅していて、夕食の支度をしている最中だったんだ。
インターフォンを鳴らすと、瑞希が出てくる。シンプルなエプロン姿の瑞希は、どこか可愛らしい。思わず抱きしめたくなるよ。そんな衝動を押さえ込みながら、俺は真剣な表情を向ける。
「瑞希……、聞いてくれ、大変なことが起きた」
俺の神妙な言葉に、瑞希もキリっとした顔立ちになった。
「何かあったの?」
「あぁ、あのさ、知ってるか? 優奈が死んだってこと」
その瞬間、時が止まったような気がしたよ。
俺たちの間の空気は、しんと冷え切って、真冬の風のようになってしまったんだ。
「うん。知ってるよ」
「そうか、誰かに聞いたのか?」
「ううん。違うよ」
「え? じゃあどうして知ってるんだ?」
「だって、私が殺したんだもん」
「は?」
俺は一瞬、彼女が何を言っているのかわからなかった。
ただ、彼女は確かに言ったんだ。
「ありがとう。考えとくよ」
こうして、俺はサークルの人間と別れた。
ただ、足取りは重たい。
何しろ、優奈が死んだのだ。例え、俺たちにとって悪鬼だったとしても、死んでしまうと、心に罅が入ってしまうよね。本当に嫌な感じだ。
知っている人間が死ぬというのは、少なからず俺に影響を与える。本当に辛いよ……。
この事実を、瑞希に話すべきだろうか?
ちゃんと話しておいた方がいいだろう。例え短い間だったとしても、二人は友人関係だった。偽りの関係だったかもかもしれないけれど、束の間の友人ごっこはできたはずだ。
きっと、この話をすれば、瑞希は悲しむかもしれない。でもさ、隠してはおけないよね。もちろんさ、線香を上げに行ったりはしないけどね。
そもそもさ、あいつは俺たちに酷いことをしたんだ。俺がもしももっと乱暴な人間だったら、あいつを刺していたかもしれないんだ。つまり、あいつはいつ死んでもおかしくなかったんだよね。こう言うと、語弊があるかもしれないけれど。今回の一件は、天誅ってい気がするよ。
やっぱりね、神様は見ていて、俺たちを救ってくれた。そう考えると、幾分か心がスッキリとするような気がするよ。まぁ、本当に死んでしまうと、やっぱり辛いけどね。
俺は大学を終えて、その足で瑞希の自宅に向かった。既に瑞希は帰宅していて、夕食の支度をしている最中だったんだ。
インターフォンを鳴らすと、瑞希が出てくる。シンプルなエプロン姿の瑞希は、どこか可愛らしい。思わず抱きしめたくなるよ。そんな衝動を押さえ込みながら、俺は真剣な表情を向ける。
「瑞希……、聞いてくれ、大変なことが起きた」
俺の神妙な言葉に、瑞希もキリっとした顔立ちになった。
「何かあったの?」
「あぁ、あのさ、知ってるか? 優奈が死んだってこと」
その瞬間、時が止まったような気がしたよ。
俺たちの間の空気は、しんと冷え切って、真冬の風のようになってしまったんだ。
「うん。知ってるよ」
「そうか、誰かに聞いたのか?」
「ううん。違うよ」
「え? じゃあどうして知ってるんだ?」
「だって、私が殺したんだもん」
「は?」
俺は一瞬、彼女が何を言っているのかわからなかった。
ただ、彼女は確かに言ったんだ。

